Categories: 洒落怖

あたしの家だよぉ

この怖い話は約 3 分で読めます。

820 本当にあった怖い名無し sage 2006/10/23(月) 17:15:40 ID:Vqup781h0
これは私の友人の体験談で、友人本人から聞いた話です。

私の友人(以降A)がアパートに部屋を借りたんです。
古い建物を改装したアパートなんだけど、リフォームがしっかりしてて結構綺麗、借りたのは最上階の部屋で、部屋も広くて天井も高く開放感のある部屋。
主要線の駅からも歩いて行ける位近くて、商店なんかも整ってて凄く条件が良い物件だったそうです。
それなのに、家賃もそれほど高くない・・・と云うより安い程。
(この時点で普通はおかしいと思いません?)

でも、そこに入居して暫く経って、一つ嫌な事を発見したんです。
和室の押入れの上部に小さな棚があって、そこの奥天井に一枚の御札が貼られてるのに気付いたそうです。
Aは心霊だとかその手の事には鈍感な性質で、気味が悪いとは思いつつもお札を剥がして捨てたんです。

それから、部屋に変な電話が掛かってくるようになったんです。
しわがれた年配の女性の声で、呟くように繰り返すのだそうです。
「こちらはあたしの家じゃないかねぇ」、って。

Aはいたずら電話か痴呆老人の仕業かと思って、対応もおざなりに電話を切ったそうです。
けど、その電話は時折掛かってきたんです。日をおいて幾度も、同じ老女から同じ内容で。
終いには辛抱しきれなくなったAは、この部屋は俺のモンだ、と怒鳴りつけたんだそうです。
そうしたら、震える声で「・・・ここはあたしの家だよぅ」と返ってきたきり、電話は切れてしまったそうです。

821 本当にあった怖い名無し 2006/10/23(月) 17:17:42 ID:Vqup781h0
その夜、Aは息苦しさに目を覚ましたそうです。
身体が動かない。すぐに金縛り状態である事に気付きます。
動けないまま目を凝らしていると、直に目が暗闇に慣れてきました。
その時、顔にポタリと何か雫のような物が降りかかったんです。
すぐ頭上の天井に目を向けると、真っ白な筈の天井に黒いシミが出来ていて、そこから雫が垂れているようでした。
みるみるシミは広がって、垂れてくる雫の量が増えてきました。
生臭い、金臭い臭いに、その雫が血であると思った瞬間、天井のシミの中から何かがA目掛けて降ってきたんです。
ドサドサ、バラバラと重みのある物体が、Aの顔といわず身体といわず降り掛かったんです。
Aが恐怖に身を強張らせていると、顔の真横に生臭い空気を感じました。
視線を向けると、真っ黒な塊・・・人の首がAの顔の横にあり、それが耳元で口を開いたんです。電話のしわがれた声で。
「ここはあたしの家だよぅ」

翌日、Aはすぐその部屋から引き払いました。
不動産屋は、もうあんな所には住めないと訴えるAを問い質す事も無く即時引き払いに応じたそうです。

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