洒落怖
狙われた家族

この怖い話は約 4 分で読めます。

622 本当にあった怖い名無し sage 2006/12/03(日) 21:54:50 ID:h1Rdw5lx0
私自身まだ信じられないことなのですが、実際にこの身に起こった事なので
書き込ませてください。

出身は北陸でしたが私は物心つく前から色々なところを転々としていました
それというのも借金取りに追われているわけでもないのにまるで何かから逃げるように
両親が昼夜問わずで夜逃げまがいの引越しを繰り返している所為でした。
小さな頃から行く先々で除霊師や霊能力者に相談し、
そのたびに首を横に振られていたのを覚えています。
頻繁な引越しに終止符が打たれたのは私が働ける年になったのと同時に
母が病に倒れたからです。心労から来るものでした。父もこれ以上引越しを
するのは無理だと言い、「母さんだけ奴らに渡すわけにはいかない」などと言っていました。
幼い頃何度も引越しの理由を聞きましたが、その話題になるたびに両親が無言になり、
また食い下がれば普段はやさしい母が狂ったように怒鳴るので聞けませんでした。
母が倒れた後、私は理由を聞かずとも悟ることになりました。

623 本当にあった怖い名無し sage 2006/12/03(日) 21:55:20 ID:h1Rdw5lx0
一箇所に留まるようになって半年以上経った頃だったと思います。
始めは気のせいだと思っていたのですが何処からともなく重い金具を引き摺るような
音が聞こえてきたのです。がしゃん、がしゃん、と。それもたくさん。
日に日に近付いてきている事を父に言うと、すっかりやつれた父が
「そうか…お前だけ逃げてもいいんだぞ」と言います。
一箇所に留まる事をしなかった私達家族に帰る場所などなく、私は何があっても
父と一緒に居る事に決めました。その頃母はあまりに暴れると言われ通常の病棟から
重度の精神病患者が入れられてしまう病室に移されていました。
父も見る間に痩せて、いつも何かに怯えるように目をギラギラさせながら過ごす事が
多くなりました。そんなある日の朝、いつもよりも多くあの音が聞こえた日の事です。
父が突然「A子!逃げろ!」と叫んで私をたたき起こし家から追い出したのです。
何がなんだか分からずぽかんとしていると、家の中からあの音が大量に聞こえてきて、
まるで家の中にびっしり鎧武者が歩いているように感じました。
家の中からは血の匂いも漂ってきます。

624 本当にあった怖い名無し sage 2006/12/03(日) 21:56:21 ID:h1Rdw5lx0
切羽詰った父の「逃げろ」の言葉と、その音が怖く気付くと私は
始発電車に乗って隣の市街まで出ていました。
パジャマのまま、しかもサンダルでです。どうする事も出来ず寒さに震えながら灯りのついている
お店に入りました。当然お財布など持っていなかったので、ただ入るだけでした。
日が昇り始めた頃、不審に思ったのか店員さんが話し掛けてきました。
何も言えない私を見て、店員さんは優しく諭しながら暖かい飲み物を奢ってくださいました。
失礼ながら店員さんはパっと見男か女か分からないような方でした。
ただ優しくあと少しで仕事が終わるので
その後警察に連れて行ってくれると言いましたが私は断りました。
警察に行っても意味などないからです。その時またあの音が聞こえました。
逃げようとした私の腕を店員さんが掴んだので驚いて顔を見ると、店員さんも驚いた顔で
私を見ていました。どうやら店員さんにも私が聞いているのと同じ音が聞こえているようでした。
今までそんなことがなかったので驚きと不謹慎ではありますが僅かな嬉しさがありました。
それでも店員さんに迷惑をかけるといけないので手短に話をして離れようとしました。
しかし店員さんは友人になんとかできる心当たりがあると言って私に説得してきます。
今思えば彼が悪人でないという保障はなかったけれど、その時の私は飲み物の温かさと
彼にも音が聞こえたという安心感で何も考える事はできませんでした。

この怖い話にコメントする

  • 匿名 より:

    意味不

  • 狙われた家族