Categories: 洒落怖

愛してるか?幸せか?

この怖い話は約 3 分で読めます。

235 本当にあった怖い名無し 2007/12/22(土) 16:13:35 ID:MSHI4VcK0
彼が2年前の10月22日に事故で死んでしまいました。
バイクに乗っている彼の前を不意に左から曲がってきたトラックの下敷きになって。
ご両親からは、ほぼ即死だっただろうという警察の話を教えてもらいました。

不思議な体験はその前の週の日曜日に起きました。
彼とドライブへ出かけて、家まで送ってもらって
6時くらいに別れて彼は自宅に帰っていきました。

すると、すぐ携帯に着信が入りました。彼からでした。

あれ?何か忘れてた事でもあったのかな?と思い電話に出ると
長い、とても長いまさしく断末魔のような叫び声の後
「痛い!痛い!」という叫び声。
痛い痛い。どうして、どうして、助けて、助けてと唸りのような絶叫にずっと繰り返して、

それが彼の声かどうかも分かりませんでした。でも、着信は彼の携帯からでした。

236 本当にあった怖い名無し sage 2007/12/22(土) 16:14:00 ID:MSHI4VcK0
何かがあって、助けを求めてる。それだけが悲痛に分かりました。
いたたまれずに彼の帰って行った道を駆け出しながら
「どうしたの?どうしたの?」とたずね続けましたが
彼は応対せず、痛い、痛いとずっと叫んでいました。

でも、やがてガハガハと何かを吐き出すような荒い息とともに
「あい、 あいし・・・」
きっと、愛してると言ってくれていたのだろうと信じています。

彼はいつも私を抱いて「愛してるか?幸せか?」って口癖のように言ってました。
そんな彼の言葉に飽き飽きしてた私はいつもぶっきらぼうに「愛してるし、幸せ」と答えていました。

その時の私は必死に「愛してる!愛してる!」そんな風に叫んでいたと思います。

やがて、「ふぅーっ」と大きい、長いため息が聞こえて、電話が切れました。

237 本当にあった怖い名無し sage 2007/12/22(土) 16:14:37 ID:MSHI4VcK0
何が何か分からず、でも普段そんな冗談はしない彼でしたから
大変な事が起きてる事を察知して私はすぐに掛けなおしました。

繋がりません。

何度やっても留守電になってしまいます。
私はもうどうしようもなく道端に座りこんだまま、ずっと携帯を鳴らし続けました。
何もかもが分からず、呆然と1時間くらい座り込んでいたと思います。

彼の携帯から電話が、『ああ、まだ、まだ大丈夫』と思い。電話に出ると
平然とした声で「どうした?」と聞かれ
唖然。

結局、彼は電話などしてないと、言われました。
そりゃそうです。彼はバイクに乗っていたので電話を掛けることも出ることも出来なかったはずなのですから。

238 本当にあった怖い名無し sage 2007/12/22(土) 16:15:47 ID:MSHI4VcK0
それでも、彼の携帯にも通話記録が残っていました。
私の家を出発してすぐの時間の発信でした。

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