Categories: 洒落怖

通り抜けるモノ

この怖い話は約 3 分で読めます。

11 本当にあった怖い名無し sage 2007/09/04(火) 09:50:16 ID:I1FgSUYr0
長くなったので分割しました
お暇な方は最後まで読んでください

これは去年の秋くらいに実際体験した事
その日は友人とドライブをしていた、県内をグルグル回っていて急にトイレがしたくなってある公園に立ち寄ったんだ
車を降りる時、時計をみたら夜中の3時くらいだったかな?時間も時間だし友人が「他の所行く?」と言ってきたが
私は我慢できそうに無かったので怖がる友人を引き摺りながらトイレに向かった

その公園は城跡にあって、春になれば桜祭りという祭りで結構な賑わいを見せるような公園
何度か来た事あるし、街灯があるし満月に近かったので月明りの助けもあり園内は比較的に明るかった
トイレを終えた私は、長時間座ってるのも疲れたので久しぶりに来たことだし散歩をしようと言い出した

心霊とかそういうのが苦手な友人は少し怖がっていたようだけど、明るかったのもあるし
私がそういう物を好きなのを知っており、「仕方ないな」と言い付き合ってくれた

公園には砂利道の桜の並木道があり、春には桜が綺麗なのだが生憎季節は秋、桜の木にはどれもみすぼらしく立っていた
その並木道を抜けると花畑がある、花畑は四つに分かれていて真ん中には小屋(壁が無くて屋根の下にはベンチがある)みたいな物がある
花畑が見えてきたと思った矢先、友人の足音が急に止まった
「靴紐でも解けた?」と聞こうと振り返ると友人は小屋の方を指差し「あそこなんか居るよ!」と体を震わせながら蹲っていた

12 本当にあった怖い名無し sage 2007/09/04(火) 09:51:58 ID:I1FgSUYr0
距離でしたら約30mくらいだろうか小屋は街灯と月明かりに照らされていた
小屋の中は屋根の影で薄暗く中までははっきり見えない、目を凝らして見るとベンチに黒い影みたいなものが見えた
正直ビックリしたけど、半分混乱状態の友人のおかげで冷静でいられた
時間にして1分くらいだろうか小屋の中の暗闇にも大分目が慣れて正体がわかった、小屋の中のソレは幽霊とかそういう類のものではなかった
足元で私の服の袖を掴んだまま離さない友人に「帰ろう」と言って、足音を立てないようにしてその場を立ち去ることにした

友人は半泣きで「何が居たの?」としつこく聞くので「ホームレスだったよ」と教えてあげた
実際にベンチの下には紙袋と靴が置いてあったので間違いないだろう、何より夜遅くこんな場所で女二人という事を考えれば
居るかどうかわからない幽霊よりも、現実にそこにいる人間の方が脅威になると私は判断したのだった

気持ちを落ち着けようと明るい話をして並木道を引き返す私と友人
周囲は小さな私達の話し声と二つの砂利道による足音のみ聞こえる
しばらく歩くと私と友人は同時に後ろを振り向いた
後ろの方で足音が聞こえてきたのだ、歩く音ではない駆け足のような音だった
あんまり変なことを言うと友人が怖がるだろうし、たまたま二人一緒に振り返っただけだろうと
また前を向いて歩き出した

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