Categories: 洒落怖

洒落コワ503

この怖い話は約 3 分で読めます。

327 1/2 sage 無論創作だよ、本当だよ。 2008/09/07(日) 16:17:05 ID:Tyim2T4u0
 「洒落にならないほど怖い話を集めてみない?のまとめのページって知ってるか?」
飲み始めてから一時間、お互いに話題が尽きはじめ口数が少なくったころ、大学で同期だった友人がこう切り出した。
軽く頷く自分を見て彼は少し笑いながら話し始めた。
「あのページってボランティアで運営されてるって話は知ってるな?
まぁそこはいい……で、あそこのページってさ503 Service Temporarily Unavailableが多いと思わないか?」
含み笑いが失敗したようなニヤついた顔で上機嫌に彼が続ける。

「実はな、あそこのサーバーでは503なんておこらないんだ」
そして起こるわけがない503がおこっているんだ。と、彼はそう話した。
「起こるわけがない、とはまた断言するね……」
「ああ、起こるわけはない……あそこのサーバ管理してるのは俺だからな」
少し驚きつつも、そういえば彼が就職するときに中堅どころのサーバ屋だといったことを記憶の泥の中から探し出していた。
「繋がらないはずがないのさ、外部からPINGを送っても引っかからない、トレースしても大丈夫、鯖の負荷もたいしたことはない、
でも、繋がらないんだよ……」
へぇ、と生返事をしつつぬるくなり始めたビールを口に運ぶ。
「さらに、だ…同じサーバ内で動いている別のドメインのページはこんなことにはなってない」
ぬるいビールが食道をのたうち気持ち悪くなって口を離す。
「なんだ、それじゃあそこのページだけあんなに503が出るのかい?」
彼は鷹揚に笑いながら頷き、店員を呼びとめ追加でビールを頼んだ。
「原因不明なんだよ…で、だ、気持ち悪いことに鯖ごと変えても同じ現象が起こる……お手上げってやつさ」
呪われてるんだよ、あそこは。と言いつつ店員が持ってきた新しいビールを傾けていた。

あの時はそれだけだった。

328 2/2 sage 無論創作だよ、本当だよ。 2008/09/07(日) 16:18:14 ID:Tyim2T4u0
数ヵ月後、彼の携帯から着信があった。
か細い、中年女の声が聞こえ彼の母親だと名乗った。
そして彼が亡くなったとも。

数日前、彼は夜中に興奮しながら帰ってきて母親に仕事がうまく行きそうだと語っていたらしい。
そして、自分へ直した方法を教えなきゃなと言っていたと聞いた。
彼の葬儀、出棺を終え帰る準備を整えているとき彼の上司と名乗る男が話しかけてきた。
男曰く、彼が亡くなってそれが変死に値することだったらしく警察が来たと。
そして警察立会いのもと、彼のPCの中身を調べたと。
デスクトップにはテキストファイルがひとつあるだけでワードもエクセルもSQLへアクセスするためのソフトすら入っていなかったと。
デスクトップにあるテキストの容量が347GBもあり、不審に思った男は中身を開いたらしい。
テキストファイルにはサーバのログが残っており、なぜこんなものがデスクトップの上においてあるのかわからなかったということを話した。
男は彼から以前、自分のことを聞いていたらしく、つい、話し掛けてしまったと軽く笑いながら立ち去っていった。

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