Categories: 洒落怖

ちんけな報復

この怖い話は約 3 分で読めます。

とある国に、尊敬していた教授の発掘を手伝いにいった時のこと。
一週間程度で重要なトンネルが完成というときに、私たちは突然相手の国の正規軍につかまった。
彼らの言い分は、わが国の栄光のある歴史の遺物、その発見者となって良いのは、百歩譲っても良い我が国民だけなんだそうだ。
あれあれ?発掘調査の権利を売ってる話はどこいったのさって話。
この契約書の本体を毎日発掘調査前に監視員にみせないといけなかったから、持ってきてたのです。
開放されたとき、押収されていた荷物の中から、これは消えていた。
また、捕虜(?)の扱いについても、男女関係なく銃口を穴につっこまれるなど、とんでもなく最低。
栄光ある民族は何やっても許されるそうです。
どうあってもこの事実を公表する、と抵抗を続けた人が銃殺されもしました。
直接現場を見たわけではないものの、銃声は収監されてた場所ではっきり聞いて、発掘現場の仲間が一人帰ってこれなかったから、そういうことでしょう。

マスメディアが待ってるものとばかり思ってました。
しかし帰国を祝ってくれたのは揃い踏みしたおえらがた。
一人十億円、銃殺者には百億円(遺族が受け取る)という口止め料で、この戦争行為があったことを口外しない約束をさせられてます。
生きて帰ってこれて黙ってれば分納で十億円入る、悪くない、と考える人多数でした。
黙っていろ、というなら黙っているが、全員が受け取った中から一億円づつつのって、無言で報復するための資金にしようって話です。
おえらがたにも説明したんですが、支払われてるところをみるととめるつもりはないようです。
で、無理やり強奪された機材のメンテナンス作業、これをやる向こうの業者を買収。
もともとこっちのもちこんだマニュアルにしたがってやってただけなので、独力で出来ないんですが。
これに成功報酬として、壊したらボーナスを弾む、ってことで機材壊しまくってもらったんですよ。

とはいえ、天然ものの祟りに比べたら、チンケな報復でした。
向こうの考古庁が独自調査(笑)のためにこの発掘現場に重機をいれたそうなんですが。
そのせいで崩落(笑)作業員十数人が死んだそうです。
地下に眠る人もこんなクズ民族に掘り起こされたくないようで。
私たちが発掘してたときはもっと重い重機数台いれてたのにね。

bronco

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bronco

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