洒落怖
天職

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400 天職 その1 sage 2009/10/02(金) 17:19:43 ID:6o8g/lvm0
2年前、高校を中退したオレは、いろんな職をやってみたが、ひと月も勤めるとどれもオレに
合わない気がして辞める、そんなことを繰り返してた。

ハロワでいつものように職を探していると、とある警備会社の求人が目に留まった。ガキのころ
ゼンソク持ちで、粉塵とか排気ガスの中での仕事は・・・と思って敬遠していたが、貯金が
かなり厳しくなってたこともあって、応募してみることにした。

面接のあと、明日から見習いで来てくれと言われ、次の日からベテランの補助で現場に入ることに
なった。その会社は主に工事現場の出入り口の管理や道路工事の交通誘導をやっていて、最初の
現場は拡張されてる駅ビルの警備だった。

401 天職 その2 sage 2009/10/02(金) 17:20:08 ID:6o8g/lvm0
仕事は思ってたより楽で、業者や生コン車の出入りの時間のゲートの開け閉め・誘導の他は
掃除ばかりやってる感じだった。先輩は南方戦線帰りとかいうすげぇじいさまだったが
目も手も足もしっかりしてて、手抜きしてると大声でドヤされる。おかげで一週間もしないうちに
仕事を覚えて別なゲート任されることになった。

一週間ほどしたある日。朝からいつもどおり出入りの車を誘導して掃除していたら中から鉄骨を
何本かまとめて落としたみたいなすごい音がして、あーっやったなって思ってたら救急車が来た。
はつり屋が一人エレベーターシャフトから落ちたらしくて工事は全部中断。落ちた人は即死だった。
じいさまがメシのとき、こういう大きい現場じゃたまに人柱が立つ、みたいなこと言うから
ゾッとした。

402 天職 その3 sage 2009/10/02(金) 17:20:34 ID:6o8g/lvm0
その現場にまた新人が入るっていうんでオレは別な現場にまわされることになった。
次の現場は高速道路と有料高架道路の接続工事で、オレは擁壁沿いに掘っていくパワーショベル
周りの歩行者誘導が仕事。と言っても歩行者なんか滅多に通らないから掃除ばかりやってた。

現場のなかのことは基本的にノータッチ。労災きかないし。現場監督は安全管理云々言ってたけど
危ないと思っても素人がプロに口出しできないし、パワーショベルのそばでとびが作業してるの
見ながら、バケットで殴られたらいてーだろーなーとか考えてた。

その日もカッター屋が切って泥と水でぐちゃぐちゃになってるアスファルトを掃除していた。
旧式のパワーショベルは、アームの反対側のエンジン部分が大きくて、回転するとキャタピラから
車体がかなりはみだしてくるものがある。この現場に来てたのもそういうタイプだった。
資材を抱えた若いとびが、近道したかったのか、パワーショベルと擁壁の間をすり抜けようと
しているのが見えた。危なくないか?って思ったときは遅かった。
パワーショベルのアームが回って、とびは車体と擁壁、10cmほどの隙間に挟まれた。
頭と肩が明らかに不自然な曲がり方してて、遠目にも助からないと分かった。

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