洒落怖
呪われたツーリング

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27 本当にあった怖い名無し 2009/09/06(日) 19:00:53 ID:rYkHSOAHO

俺はオフロードバイクでソロツーリングするのが趣味だ。連休には良く一人で遠出する。
今年のお盆休みに九州の南端目指して三泊四日の予定でツーリングに出発した。

もちろん、高速道路をひたすら走って目的地に着いても面白くない。途中に絶景ポイントや美味しそうな林道を絡めつつ走るのだ。

一日目は主に高速を走る。エンジン快調。時速100キロ越えると以前のクラッシュの影響か若干前輪がブレるがまあ大丈夫。福岡の友人宅に泊まる。
二日目、主に下を走る。途中温泉に入ったりしつつマイペース走行だ。阿蘇で写真も沢山撮った。

だが…少し寄り道し過ぎたらしい。目的地にはまだだいぶあるが夕方になってしまった。

現在地熊本と宮崎のちょうど真ん中辺り。予定では鹿児島に入ってるはずだった。
高速使うか…?しかしこの先に某スーパー林道がある。俺が楽しみにしていたステージだ。別に宿を予約している訳でもないから急ぐ必要もない。迷わず林道へ向った。
峠のワインディングは景色も素晴らしく満足いくものだった。やはり非日常を味わうには旅が一番…などと思いながら峠を下り切った所で一服。川が涼しげに道の向こうを流れている。

と、その川に小さな橋が架かっている。先には小ぢんまりとした神社。そして神社の脇に向かいの山へと続く砂利道…
まだ日はある。オフ乗りには美味しいフラットなダート林道だ、入らない手はない。民家もないし他のライダーとも全く出会わない。少々ぶん回しても迷惑にはならないだろう。俺はゴーグルを下げ2ストサウンド全開で走り出した。

先の読み易いコーナーを足を出してカウンター当てながら曲がる。楽しい。万一転倒してもガードレールはないがアウト側の木々がその役目を果たすだろう。
だが夢中で走っていたらいつの間にかオーバーペースになっていたようだ。
高速コーナーでリアをスライドさせ過ぎマシンが真横を向く。本能的にバンクを戻し立て直そうとするもスピードが乗り過ぎていた。次の瞬間ブロックタイヤが路面を噛み込む!

しまったと思う前にマシンは強制的に引き起こされ俺は空中に放り出された。頭の上を飛び越え逆さまに地面に叩き付けられる愛車が見えた……

28 本当にあった怖い名無し 2009/09/06(日) 19:05:47 ID:rYkHSOAHO

……やっちまった。幸い路面に沿って投げ出されたお陰で木や岩に突っ込む事はなかった。
しかしさすがにあちこち痛む。
ゆっくり起き上がる。骨に異常はないみたいだ。
ふらつきながら先の方に転がっているバイクに近付く。ウィンカーやミラーは脱落し、メーター周りは粉々だ。
それでも一応キックでエンジンを掛けようと試みたが、予想通り無反応。Fフォークも捻れてタイヤを挟み込んでいる。

辺りは既にかなり暗くなって来ていた。携帯はもちろん圏外。
「仕方ない歩いて下るか…」バイクを邪魔にならない場所に引きずり込み、ジャケットを曲がったハンドルに引っ掛けリュックを背負う。
絶望的な気分で懐中電灯の明かりを頼りに歩き始めた。

29 本当にあった怖い名無し 2009/09/06(日) 19:10:08 ID:rYkHSOAHO
>>28続き
もう3時間歩き続けている。おかしい…。もうあの神社のある場所に出ても良いはずだ。
右手に夜空、左手に山の斜面を見続けて歩いているのだから間違いないはずだが…。もしかして気付かないうちに脇道に入ったか?
地図を広げてみたがもはや何の役にも立ちそうになかった。
暗い。雲が出ているのか月の明かりすらない。そして町の明かりも。懐中電灯がなかったら谷底へ転落してもおかしくない。

少し休もうと思い腰を下ろしタバコに火をつけた。近くで川の流れる音が聞こえるが入口にあった神社は見えない。やはり間違ったルートを下った様だ。
しかしどのみち今夜は野宿だ。もう歩きたくない。あとは明るくなってから考えよう。
万一クルマやバイクが通っても轢かれる心配のない場所を探して野宿しよう。そう考え再び歩き出した。

しばらくすると急に道が開け、今まで見た事のない風景に出くわした。
そこにいきなり村が現れたのだ。もちろん明かりの点いた家は全くない。廃村だ。
どうやら途中で枝別れしたこの廃村へと続く道を歩いて来たらしい。辺りを照らしてみると木造の半壊した建物ばかりだ。赤錆びた給水塔らしきものも見える。
かなり昔に放棄された村らしい。不気味ではあったが面白くもあり少し見て周った。

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