Categories: 洒落怖

豹変

この怖い話は約 3 分で読めます。

696 本当にあった怖い名無し sage 2009/09/04(金) 11:37:33 ID:MfsLtCHu0
突然ですが、幽霊や超常現象って信じますか?

ぼくは信じてません。
基本的にぼくはリアリストだと自認しており、非現実的なことはまったく信じない性格です。
幽霊を見たことはありませんし、信じたこともありません。
そんなぼくも、たった一度だけ、不思議な体験をしたことがありました。そんな話を書いてみます。

大学の入学式があまりに退屈だったので、辺り構わず前後左右の人たちと会話していたら、3人の友人ができました。
すぐに彼らと親しく会話を交わす仲なり、それなりに情報交換をしたりしていました。
特にぼくは大学にまったくといっていいほど行かなかったですし、サークルなどにも入らなかったので、彼らがもたらす情報は貴重でした。

ある時、その友人1人が家に泊まりにきて欲しいと言うのです。ここではAとしましょう。
話し声は逼迫した様子でした。
Aが語ったところによると、深夜、隣の部屋からのうめき声と、壁を激しくかきむしる音を聞いていて、まったく眠れなかったのだそうです。
それはそれは、腹の底からこみ上げてくるような、塗炭の苦しみの響きだったらしいです。
ちなみにAと隣室の声の主は、ある程度の会話を交わすような、友達に近い関係だったと言います。
Aの住んでいたアパートは壁が薄く、前後左右の音がほぼ筒抜け状態で、隣の部屋からの音自体は珍しいことではありませんでした。
実際、Aの上の部屋に住む男子大学生が、ほぼ毎日のように女の子を連れ込んでくるため、その不届きな音にAは苦しめられていました(笑)
そのため、隣室の苦悶の声に「うるさいなぁ」と思った程度だったと言います。

しかし早朝、念のためAが隣の部屋に出向いてチャイムを押してもノックしても、何の反応もありません。
仕方なくAが大家さんを呼んで事情を話したところ、大家さんは隣室のカギを持ってきて、Aと一緒に部屋へ入ってみたのです。
すると、なんと隣室の大学生が死亡していました。だから第一発見者はAと大家さん。死因は肥満だったそうです。

697 本当にあった怖い名無し sage 2009/09/04(金) 11:42:13 ID:MfsLtCHu0
そんなことがあった当日、怖くなったAが、泊まりにきて欲しいと頼んできたのでした。
ぼくも含めて、入学式以来の付き合いのあった3人が集まりました。
しかし、ぼく以外の2人は翌日すぐにバイトがあったので、泊まるのはぼく1人だけとなりました。

皆が集まったのは真っ昼間でしたが、どうもAの様子が不自然なのです。
快活に話しかけてくると思えば、次の瞬間にはボーッとなっていたり、空ろに目を彷徨わせていたりするのです。
他の友人たちもAの様子に戸惑い、これは何かあるのかもしれないと不安を感じ始めました。
そこで友人の一人が、近くの神社に行ってみようと言い出したのです。
神主さんにでも事情を話し、必要ならばお祓いなどを行ってもらおうと思ってのことでした。Aも素直に同意します。

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