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454 葬式の話。1 sage 2009/07/09(木) 22:53:15 ID:QpCUMc9Z0
そういえば、俺の爺様の葬式のとき、こんなことがあったそうだ。
ほとんどが母親からの伝聞なので、実体験ではないのだが。
式自体は滞りなく進み、無事に終わった。
通夜が終わると集まっていた親戚たちも帰り、爺様の子供たち(俺の母親と叔父二人)
が酔った頭で香典の勘定をしていた。
すると、洗い物をしていた叔父の奥さんがやってきて
「あなた、拝ませてほしいという人が来てるんだけど…」という。
結構に酔っていた母親たちもさすがに不審に思い
(これは拝むふりをして香典を泥棒しに来たのかもしれない)と考えた。
しかし叔父たちも動転していたのであろう、「せっかく来てくださったのに、失礼だ」
と思ってしまい、また香典をしまっておき、いざのときは男二人何とかなるだろうとも
楽観的に考えた結果、その男を上げる事になってしまった。
母親に聞くと、男の風貌ははっきりしないという。
とにかく男であることは確かなのだが、中年であったような気も、また老人であったような気もする。
また服装も行き、帰りで違ったものを着ていたような気がするという。
印象深かったのが、「男の体からは、魚の生臭いにおいがしていた」ということだそうだ。
また男の人相は覚えていないが、終始ニコニコと笑っていたという。
しかし母親は「笑っていたのに、なんだか感じが悪くて不気味だった」と言っていた。
455 葬式の話。2 sage 2009/07/09(木) 22:58:49 ID:QpCUMc9Z0
男は仏間に入るなり、「線香を消してくれませんか」と妙な事を言う。
「失礼なやつ」とも思ったが、まあせっかく来てくれたのだからとも思い言う通りにすることにした。
次に男は、「私と仏様を二人きりにしてください」という。
これまた失礼な頼みだが、香典もしまい金目の物や火の気も無いので男の思い通りにさせてやったそうだ。
ふすまを締め切って隣の座敷から様子を伺うが、読経などする気配も無い。
これはいよいよ怪しいと感じ、仏様を傷つけられたら大変とそっと覗き見たそうだ。
異様な光景が広がっていた。
男は仏様の顔の鼻先に自分の顔を近づけ、ニコニコと笑顔を浮かべながら何かをつぶやいている。
母親に聞くと、その男はどう見てもそのまま爺様に触れようとしているようにしか見えなかったという。
しかし決して仏様には触れようとしなかったそうだ。
しばらく見ていると、男の呟きがはっきりと大きくなったのが判った。
456 葬式の話。3 2009/07/09(木) 23:05:28 ID:QpCUMc9Z0
「むねん。むねん。むねん。むねん。むねん。むねん。むねん。」
男はそう、はっきりと繰り返していたと言う。
総毛立つ様な思いがしたそうだ。
また顔は相変わらずにたにたと笑っているが、なぜか激怒しているように見えた、という。
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