Categories: 洒落怖

ゆうちゃん&トミー

この怖い話は約 3 分で読めます。

610 ゆうちゃん&トミー(1/7) sage 2009/05/30(土) 03:27:01 ID:NUzskH9Q0
以下の話は創作ではなく実話なんですが、
名前や場景から実際の場所や人物が特定されないよう若干表現を歪めてあります。
また長文が苦手な方は、誠に勝手ではありますがスルー願います。

———————————————————————-

中学生時代の友達で「ゆうちゃん」というヤツがいた。
彼は直感が優れていて、何かの危険が迫っていると「嫌な感じがする」と呟き、
さりげなく回避行動に出られるタイプの男だった。

俺達も何度となくこの不思議な直感に助けられていたので、
彼がこのような言葉を呟いた時にはよく話を聞き、
これから起こそうとしていた行動を自粛したり、
予定を変更することが度々あった。

そんなある時、俺らの遊び仲間に新たな仲間が加わった。
東京から家庭の事情で引っ越してきた「トミー」という男で、
成績もよく上品な奴だったのだが、
なぜか粗野で成績の悪い俺らのグループにサラッと溶け込んできたのだ。
最初は違和感もあったが俺らもトミーを快く仲間として受け入れた。

トミーは自称霊感のあるタイプだとかで、
はっきり見えるわけではないものの、
時々強く嫌な気配を感じたりしていたらしい。

611 ゆうちゃん&トミー(2/7) sage 2009/05/30(土) 03:27:59 ID:NUzskH9Q0
俺達にはよくわからないものの、
霊的な部分で危険が迫っている場合は直ちに警告を出してくれていた。
ただ、正直俺らは霊感というものについて、
どうも今ひとつピンと来ていなかった。

ゆうちゃんの感じる直感的な危険とは少々違うものらしく、
ゆうちゃんとトミーが一緒にいても同じタイミングで
二人が同時に危険を感じることはあまりなかったのだ。

俺らは学校がある日はもちろん、
学校が休みの日も可能な限り集まって一緒に遊んでいたのだが、
二人が口を揃えて「嫌な感じがする」と言ったことは、ほとんど無かったと思う。
あの時までは…。

ある休日の午前中、俺らは例によって集まった後、
自転車で近くのサイクリングコースへ出かけることにした。

このサイクリングコースは川沿いに設けられたもので、
しばらく進むと山が切り崩されたような形の土の崖が出てくるので、
崖の近くに自転車を止めてよじ登り、
段ボールをソリ代わりに滑り降りたりして遊ぶことがあったのだ。

時折通りかかる大人が大声で「ここの崖は崩れるから危ないぞ」などと
注意してくるのだが、俺達はお構いなしだった。

612 ゆうちゃん&トミー(3/7) sage 2009/05/30(土) 03:28:41 ID:NUzskH9Q0
しばらく登ったり滑り降りたりを繰り返して遊んでいると、
メンバーの一人が崖沿いに100m程奥へ入った壁の部分にポッカリと
口をあける直径1m程度の横穴を見つけた。

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