Categories: 洒落怖

帽子を被った男の子

この怖い話は約 3 分で読めます。

10 本当にあった怖い名無し 2009/02/01(日) 14:39:29 ID:y+nInrbfO

久しぶりに投下する。
今から話すのは俺の彼女の話なんだけど、その彼女というのがすごいオカルトマニアで、変わり者なんだ。顔は美人なんだけどすげえ電波で、俺みたいなオカルト好きじゃなければ付き合おうとは思わないだろう。

彼女は別に、霊感が強いとかそういうわけじゃないけど、とにかくオカルティックなことに目がない。

彼女は日常でオカルトを感じると、切れ長の目を見開いて「これってオカルト!」と話しだす。これは、初対面の人は確実に引く光景だ。

昨日も、彼女の「これってオカルト!」が始まった。

11 本当にあった怖い名無し 2009/02/01(日) 14:47:45 ID:y+nInrbfO

「ねぇ真田(俺)さん、今日わたしたちが行った場所全部覚えてます?」

彼女は、「これオカ話」を始めるとやたらニコニコ笑う。俺はちょっと考えてみた。

今日のデートコースは
ボーリング場のゲーセン→ダーツカフェ→デパート→中華料理店→スロット
のはずだ。

「ゲーセンとダーツ行って、買い物して飯食ったあとスロットだろ?」

俺は的確に答えると、彼女はよくできましたと手を叩く。

「そうそう。それで、よーく思い出してみて下さい。最初に行ったゲームセンターで、真田さん帽子かぶった男の子とぶつかってましたよね?」

12 本当にあった怖い名無し 2009/02/01(日) 15:03:19 ID:y+nInrbfO

彼女は念を押すように訊いてくる。確かに俺は、ゲーセンで帽子のガキとぶつかった。

「それがどうしたんだ?」

俺が思い切って訊ねると、彼女は楽しそうに4本の指を出して、一本ずつ折り曲げながら言った。

「ゲームセンターのプリクラ機の前でぶつかった男の子、カフェでコーラをおかわりした時隣にいた男の子、買い物してたとき売り物のおもちゃで遊んでた男の子…」

その時俺は、彼女が何を言おうとしているのかに気づいてしまった。

「中華屋さんでやたらチャンネルを替えていた男の子、スロットで保護者なしに歩き回っていた男の子…」

気にもとめないから…いや、“有り得ないから”気付かなかった。今日1日の記憶で、ずっとそばにいる帽子のガキ…

全部、距離の離れた店なのに…

彼女は俺が気づいたことを悟ったのだろう。それ以上は何も言わず、お決まりのセリフでニコニコ笑った。

「これってオカルト!」

bronco

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