Categories: 洒落怖

奇祭

この怖い話は約 3 分で読めます。

20年前、人口100人くらいの島の人と教授の研究のため何年もかけて
交流したことがある。祭りの時期に合わせて1ヶ月泊まりで教授の
聞き取り調査なんかに同行した。
でもほとんど島の子供と遊んでただけ。
なんにもない島で、島の半分がお墓だからということでその部分には
島の子供は絶対に近寄らない。
海がすごくきれいで、島と島の間に干潮時は道ができて歩いて渡れる、
すごくキレイで夢のような場所だった。

302 本当にあった怖い名無し sage 2011/08/13(土) 11:38:06.89 ID:XZBk9m760

その島では、奇祭があり、夜通し村の男の人がお面をかぶって白い衣装を
着て、太鼓のようなものを叩きながらたいまつを持って村中を練り歩く。
教授から、この祭りの夜は絶対に一人で外に行ってはいけない。
宿なんかないから船着場の一室に寝泊りしていたんだけど、鍵をかけて、
誰かきても絶対に入れたらいけないと念を押されていた。
私たちの部屋には一緒に行ってた男の子3人と村の小学生の女の子2人と私とあと二人の女の子がいた。
窓にはガラスが入ってなくて格子だけがあったから、外を歩いてる人の
姿をちらちらと見ることはできる。
昼間に船に乗せて漁に連れて行ってくれたり、他の日の夜に地元料理を
教えてくれたりしたRさん(40代のおじさん・当時私は10代)の声で、
部屋のドアを開けろと言われた。
シャワー室があったんだけど、そこの窓から手を入れたり松明を投げ入れられたりした。
やさしいRさんの変貌ぶりに女の子みんなでガクブルしてた。

303 本当にあった怖い名無し sage 2011/08/13(土) 12:03:43.98 ID:XZBk9m760
一人の女の子が、あまりの怖さに教授とそのほかの男の子を呼んでくる!と外に飛び出していった。
その子をTちゃんとする。Tちゃんが飛び出していったあと急いでドアを閉めて鍵をかけた。
Tちゃんはすごくかわいい顔をした子で、Rさんの狙いはTちゃんだったみたいで、彼はTちゃんを追いかけていった。
Rさんと一緒に来てた何人かの男の人も、一緒に追いかけていったから、船着場はシーンとなった。

村は、車が入れないような狭い路地がたくさん入り組んでいるような場所で、誰かと鉢合わせすると逃げられない。
村には街頭なんかもない。村人が持ってる松明の明かりだけが頼り。
でもそのおかげで、松明の明かりがちかづくと人がいるってことで物陰に身をひそめてやり過ごすことができたんだそう。

祭りのクライマックスは、村の真ん中にある祠に祈祷師が入っていて祭りの間中何かを祈念するんだけど、その神託?が降りた時。
その神託が降りたら、村の女性みんなでその祠を囲って一晩中踊り狂う。
その間中、男たちは松明を持って村を歩いてる。

私はTちゃんが心配になって、男の子2人と一緒に外に出た。そのとき陰に隠れてた村の人が出てきて、私を見て、『チッ』と言ったのが印象深い。

Page: 1 2 3 4

bronco

View Comments

Share
Published by
bronco

Recent Posts

ブライダルフェア

いや、たいして怖くないんだけど…

4年 ago

教祖の妻の肖像画

親が昔、へんな宗教にはまってた…

4年 ago

The Body

10年くらい前の話だけど・・・…

4年 ago

謎の曲

出所が分からない所からの楽曲ダ…

4年 ago

エレベーターで見たもの

じゃあ俺が生涯で一番ビビった話…

4年 ago

強烈な遺体

久しぶりに民話でなく現代の話を…

4年 ago