洒落怖
ヒッチハイク

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夜の方が止まってくれやすいのでは?と言う想像は意外に当たりだった。
1番多かったのが、長距離トラックだ。距離も稼げるし、まず悪い人はいないし、かなり効率が良かった。
3日目にもなると、俺達は慣れたもので、長距離トラックのお兄さん用にはタバコ等のお土産、
普通車の一般人には飴玉等のお土産、と勝手に決め、コンビニで事前に買っていた。
特にタバコは喜ばれた。普通車に乗った時も、喋り好きなカズヤのおかげで、常に車内は笑いに満ちていた。
女の子2~3人組の車もあったが、正直、良い思いは何度かしたものだった。
4日目には本州に到達していた。コツがつかめてきた俺達は、
その土地の名物に舌鼓を打ったり、一期一会の出会いを楽しんだりと余裕も出てきていた。

銭湯を見つけなるべく毎日風呂には入り、宿泊も2日に1度ネカフェに泊まると決め、経費を節約していた。
ご好意で、ドライバーの家に泊めてもらう事もあり、その時は本当にありがたかった。
しかし、2人共々に生涯トラウマになるであろう恐怖の体験が、出発から約2週間後、甲信地方の山深い田舎で起こったのだった。

838 その3 sage 2009/12/24(木) 22:14:14 ID:NNdtlw3F0
「おっ♪ おっ♪ おま○こ おま○こ 舐めたいなっ♪ ペロペロ~ ペロペロ~」
男友達だけの集まりになると、いつもカズヤは卑猥な歌を歌いだす。その夜もカズヤは歌いだした。
その日の夜は、2時間前に寂れた国道沿いのコンビニで降ろしてもらって以来、
中々車が止まらず、それに加えてあまりの蒸し暑さに俺達はグロッキー状態だった。
暑さと疲労の為か、俺達は変なテンションになっていた。
「こんな田舎のコンビニに降ろされたんじゃ、たまったもんじゃないよな。

 これなら、さっきの人の家に無理言って泊めてもらえば良かったかなぁ?」とカズヤ。
確かに先ほどのドライバーは、このコンビニから車で10分程行った所に家があるらしい。
しかし、どこの家かも分かるはずもなく、言っても仕方が無い事だった。
時刻は深夜12時を少し過ぎた所だった。俺たちは30分交代で、車に手を上げるヤツ、
コンビニで涼むヤツ、に別れることにした。コンビニの店長にも事情を説明したら
「頑張ってね。最悪、どうしても立ち往生したら俺が市内まで送ってやるよ」と言ってくれた。こういう田舎の暖かい人の心は実に嬉しい。
それからいよいよ1時間半も過ぎたが、一向に車がつかまらない。と言うか、ほとんど通らない。

カズヤも店長とかなり意気投合し、いよいよ店長の行為に甘えるか、と思っていたその時、
1台のキャンピングカーがコンビニの駐車場に停車した。これが、あの忘れえぬ悪夢の始まりだった。

839 その4 sage 2009/12/24(木) 22:15:34 ID:NNdtlw3F0
運転席のドアが開き、コンビニに年齢はおよそ60代くらいかと思われる男性が入ってきた。
男の服装は、カウボーイがかぶるようなツバ広の防止に、スーツ姿、と言う奇妙なモノだった。
俺はその時、丁度コンビニの中におり、何ともなくその男性の様子を見ていた。
買い物籠に、やたらと大量の絆創膏などを放り込んでいる。コーラの1.5?のペットボトルを2本も投げ入れていた。
その男を、会計をしている最中、じっと立ち読みをしている俺の方を凝視していた。
何となく気持ちが悪かったので、視線を感じながらも俺は無視して本を読んでいた。

この怖い話にコメントする

  • 匿名 より:

    創作乙

  • 旦那被爆三世 より:

    全然こわくない(笑)

  • 名無し より:

    めっちゃ怖い話をありがとう。
    布団に入りながら見てたけど、寝れたは寝れたんだけど布団から怖くて出れなかった。

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