Categories: 洒落怖

こんにちわー

この怖い話は約 3 分で読めます。

俺が中学生の頃の実家での話。
実家は今でこそ鉄筋コンクリだけど、当時は木造建築の古い家だった。

その日は夏休みだったか日曜日だったかは忘れたんだけど、昼間の家に俺ひとりきりだった。
で、居間でスト2ターボをやってると玄関の方から
「こんにちわ~」っておばちゃんの声がした。

当時は田舎だった事もあって玄関に鍵なんてかけなかった。
だから近所のおばちゃん達が勝手に入って来て、それから声を掛けるのなんて当たり前の事だった。
だから、この時も「あ、誰か来た」ぐらいにしか思わなかった。

スタートボタンでスト2ターボをストップさせてから
「はーい」
とか言いながら俺は玄関に向かった。けど誰もいなかった。
あれ?とか思ってると今度は居間の方から
「こんにちわー」
って声がした。

ちょっと説明しづらいんだけど、居間は小さな庭に面していて、
その庭もフルオープンで誰でも入り込めた。
だから短期なおばちゃんが直接、庭の方にまわったんだと思って
「はーい、今いきまーす」
とか言って居間に戻った。でもガラス越しに庭を見ても誰も居ない。

801: 本当にあった怖い名無し:2011/09/05(月) 22:48:22.58 ID:YqIiGtolO
いい加減イラついて「ババァ何がしてぇんだ!」とか思いながらシカトする事にした。
で、テレビの前に座りコントローラーを握ったらまた
「こんにちわー」
って玄関で聞こえた。そん時、あれ?と思った。よく考えたら玄関が開く音がしてねぇ。

その玄関は木枠に磨りガラスを嵌め込んだ引き戸で、
開ければガラガラと音がするはずなんだけど、よく考えたらソレが無い。
それに気づいたらスゴく怖くなってきて、背筋がぞーっとすると同時に、
コントローラーがビショビショになるほど、一気に汗が吹き出した。
俺はとにかく気配を消さなきゃ!と思って、ポーズ画面にしたままじっと息を殺した。

そのまま何分間か、じっとダルシムだけを見つめていた。
ダルシムの赤い刺青みたいなのを、じっと。
そしたら突然
「こんにちわー!」って耳元で挨拶された。

「うぉわぉっ!」
なんて事を叫びながら、振り返っても、やはり誰もいなかった。

それで終わり。

bronco

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bronco

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