Categories: 洒落怖

くたびれたリーマン

この怖い話は約 3 分で読めます。

空気読まずにあんまり怖くない話でごめん。

昨日から今朝にかけての話。
夜勤のある仕事をしてるんで、月に数回早朝の電車に乗ることがある。
昨日も夜勤でほぼ始発くらいの電車に乗ってた。
都心から住宅街へ向かう電車だし平日だから普段は乗客もまばらなんだけど、
昨日は珍しくちょっと混んでた。
と言っても席はちらほら空いてるし、余裕で座れる程度ではあったけど。

いつも通り暇潰しに携帯を見てたりしてたんだけど、何気なく顔を上げたら向かいに座ってたリーマンと目が合った。
いかにも朝帰りっぽい感じで凄く疲れた顔をしてて、スーツもくたびれてて皺が多かった。

982 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/08/18(木) 10:42:39.51 ID:7WR8kR950
「あーこの人も疲れてるんだなぁ」とか、そんなことを思ってたら次の駅に着いて、
乗ってきた水商売っぽい派手な女性が、何の躊躇も無くそのリーマンの真上に座った。

(;゚д゚)!? 同時にこんな顔になる私とリーマン。
その時もがっつり目が合ってたんだけど、なんか透けてる。
表現しづらいんだけど、同じ場所に座ってて、女性の体からはみ出てる部分はちゃんと見えてるけど、
重なってる部分はなんかちょっと霞んでるというか、透けてる。

983 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/08/18(木) 10:46:39.51 ID:7WR8kR950
頭が追いつかなくて固まってたら、照れくさそうな微妙な笑顔を浮かべて会釈されて、
そのままリーマンはフェイドアウトしていった。
そこでやっと事態が飲み込めたんだけど、あまりの現実味の無さにむしろ笑えてきてしまった。
その後は何事も無く最寄り駅まで着いて、近くに誰もいなかったんでなんとなく電車の方に向かって手を合わせて
「次は座れると良いですね。でもできれば天国へ行けますように」
なんて心の中で声をかけた。
こっちも夜勤明けで疲れてたんで物凄いリアルな幻覚だったのかもしれないけど、
もし亡くなってからもずーっと通勤してるんだったら可哀想だなって、そのくらいの安易な考えで。

986 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/08/18(木) 11:06:13.31 ID:7WR8kR950
ごめん。まだもうちょっと続きます。

で、改札を出ようとしたら、真後ろというか、体感的には右耳のすぐ斜め後ろくらい?から
「行かなくていいんですか?」
低くて掠れた声だったけど、やけにはっきり聞こえてびっくりして振り向いた。
でも誰もいない。
そこで急に怖くなって急いで改札を出て、駅前の自転車置き場まで全力疾走した。
低かったけど確かに女性の声だった。
背中がピリピリするような感じがしたのと、着いて来ているような気がして、
焦りながら鍵を出したら自転車の鍵だけが無い。

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