洒落怖
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もう三年にはなるか
盆に里帰りした時の話し

俺の実家は故郷を語れるほどの田舎ではないが
町の中心からは随分離れているので周囲には畑や田んぼ、山が目立つ
街灯も殆ど無いので、夜になり点在する家の明かりが消えればほぼ真っ暗になってしまうような所
そんな実家から車で10分の距離に自殺の名所的なものがある

東西に1km程伸びる片側一車線の道路だが、西の端がT字路になっている
T字路の先は山で、その手前は高さ4,5m程、横は数十mに渡ってコンクリートブロックで固められている

東から西のT字路に向って車で突っ走り、そのままコンクリートの壁に突っ込む
それはもう車が炎上するくらいの猛スピードで
名所と呼ばれる所以は、ここ7年の間に俺が把握してるだけでも5人以上がそうやって亡くなっているから

なんせ余りにも車が突っ込むため、そのT字路には後から街灯が設置された
更には高速道路に置いてあるようなドラム缶大のパイロンがコンクリート壁に沿って無数に並べられている

地面には太陽光を蓄電する発光機が埋め込まれおり、夜になるとチカチカと赤く明滅する
真っ黒な闇の中、そのT字路だけがトンネル内に設置された
オレンジ色のナトリウムランプのような街灯でぼんやり浮かんでいる様は
その背景を知らない人間の目にも異常と映るのは間違いない

829: シルエット:2011/09/06(火) 01:47:22.08 ID:K2sDrz7t0
続き

で、実家に帰省した日の夜、時間は0:30を過ぎてただろうか
お茶が欲しくなったのでコンビニへ向かい、その帰り道
ふとその場所の事を思い出し、何の気無しに近場を通ってみようと思った
帰宅するのに5分ほど遠回りになるだけだし

久し振りの帰省なので懐かしい気持ちも手伝い、色んな道を通ってみたくなったのだと思う
その帰り道は南から北に伸びており、T字路から東へ50m程のところにある交差点に繋がり、
更にそこから北へと突っ切っている
周囲には家が無く、田んぼばかりで見晴らしがいいため
左手を見ていればそのT字路も視界に入ることになる

コンビニを出て5分ほど車を走らせただろうか
数百m先、遥か前方の左手、見覚えのある鈍いオレンジ色の光が目に入る
相変わらず、闇の中ただそこだけがぼんやりと浮かび上がっている異様な光景
そして車が交差点に近づくにつれ、T字路の様子も徐々に明確となってくる
地面には赤く明滅する発光機、無数に並べられた大きなパイロン、記憶の中のままだ
ちらちらと視界の左端にT字路を捉えながら、やがて車は交差点に差し掛かかる

交差点には信号が無く、自分側が一時停止をする
見晴らしがいいため他の車が来ていないことは分かっているが、そこは日々の習慣
標識に従い自然と俺は一時停止した

830: シルエット:2011/09/06(火) 01:49:20.85 ID:K2sDrz7t0
続き

軽く左右を確認する
右・・車無し
左・・

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