Categories: 洒落怖

治験

この怖い話は約 3 分で読めます。

864 本当にあった怖い名無し sage 2011/06/18(土) 17:12:54.71 ID:n44yFbow0
20年以上前の話。
当時フリーターだった俺は治験のバイトをすることになった。
たしか1ヶ月弱で40万以上だったと思う。参加者は10人。
検査は都内で行われたんだけど治験は他県で行われる。
新幹線で2時間、駅についてから車で1時間半。
かなり閑散としている土地で、やけに高い塀に囲まれた敷地に
入ると無機質な建物が並んでいた。

車を降りてしばらくここで待つように言われて待っていると
「んぐぐあ゛あ゛あ”あああああああ」という叫び声が聞こえた。
声の方を見ると超でかいヤツがこっちに向かて走ってくる。
確実に2メートル以上あったと思う。顔がなんかぼこぼこで、
フランケンシュタインみたいな感じ。

俺達全員びっくりして一歩も動けないでいると、一人が体当たり
されてビックリするぐらい吹っ飛んだ。
これはやばいと思って全員そいつから逃げまわってると警備の人
が3人やってきてそいつを取り押さえようとしたんだけど無理。
応援の警備員と先生が10人近くでやっと取り押さえて連れて行かれた。
正直言ってかなり不安になった。
この施設なんなんだ?俺たち何されるんだろ、大丈夫か?

866 本当にあった怖い名無し sage 2011/06/18(土) 17:14:48.39 ID:n44yFbow0
宿泊場所は二階建ての建物の二階で、ベットがずらっとならんでる
部屋と畳敷きでテレビや本が置いてある部屋の二部屋だけ。
ここで1ヶ月過ごさなければならない。
何の薬だったかは忘れたが毎日2時間点滴をうち、3回採血をする。
1週間ほど経ったある夜にサイレンが鳴った。
窓から外を見ると一人の男が警備員に取り押さえられている。
何があったんだろうと思って窓を開けると、
「イヤだー。もう嫌だ。頼むから帰らせてくれ。」
取り押さえられた男はこんなことをいっている。

宿直の看護婦さんがやってきて気にしないで早く寝てくださいという。
俺達の体にも異変が起きていた。異様に体がむくむ。
自分だけだったらともかく全員むくんでいた。
ここに来て仲良くなったAさんとBさんは普通は何か異常が出たらすぐに
治験を中止するはずなのにここは明らかにおかしいと言っていた。
二人とも日本で1年間金を稼いで海外を放浪するのが趣味で何回も治験
を体験済みである。

869 本当にあった怖い名無し sage 2011/06/18(土) 17:15:54.89 ID:n44yFbow0
2週間経つ頃には全員顔がパンパンにふくれあがっていた。もう限界だ。
俺達は治験の中止を訴えたが、先生達は聞き入れてくれなかった。
(この薬は安全だ。血液の数値に異常は見られない。大丈夫だ。)
だが明らかに俺も含めみんなの顔は大丈夫じゃなかった。
AさんとBさんは「お金はいりませんからもう帰らせてください。」
と言ったがそれでも帰らせてくれないという。

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