金縛りの原因

235 本当にあった怖い名無し sage 2011/05/27(金) 03:02:34.52 ID:sKFTW5xx0
俺が大学3年になったばかりのころの不思議な体験。
ちょっと長くなるけどごめん。

大学入学と共に上京してきた俺は偶然父親の東京転勤(長期出張?)と重なって2年ほど男2人で暮らししていたんだけど。
俺が3年になる時に父親が実家に戻る事になった。
家賃的な問題で、今まで住んでた部屋から小さな1Kの部屋に引っ越す事になった。
やっと自由な一人暮らしができる!そう思った。
1週間ほど何事も無く過ごしてた。
でも、ある晩ふと目が覚めると体が動かない…ヤバい…
金縛りだ…
生まれて初めての金縛りでどうしていいか解らない、怖くて目も開けられない。
自分の心臓の音が聞こえるんじゃないかと思うほどバクバクいっていた。
1時間くらいそんな状態だったろうか?いや、ホントはもっと短かったのかもしれない。
いつの間にか俺は眠っていたのか、気を失ったのか、
ふと気づくとカーテンの隙間から光が漏れ入り、鳥の鳴き声が聞こえていた。
あれ?夢だったか? 悪い夢を見たんだきっと。
部屋の中は昨晩から何の変化もなかった。
ただ汗が半端じゃなく枕もぐっしょり濡れていた。

238 本当にあった怖い名無し sage 2011/05/27(金) 03:11:08.33 ID:sKFTW5xx0
いやな夢のせいでいつもより早く目が覚めた俺はめずらしく朝から大学へ向かった。
大学で、いつものバカな仲間たちと過ごし、金縛りの事などすっかり忘れて自宅へ帰り
夜中までダラダラとテレビを見たりネットしたりしてから布団へ入った。
ウトウトし始めたそのとき、キーンと耳鳴りがした。
体が動かない…怖い、怖い、怖いっ!
絶対にこれは夢じゃない!
俺は決心をして恐る恐るまぶたを開けてみた。
誰かいる!暗くてよく見えないがキッチンにでるドアの所に誰かが立っている影が見えた。
もう怖くてギュッと目を閉じてひたすらいなくなってくれる事を祈った。
気づくとまた朝が訪れていた。
やっぱり部屋には何の変わりもなかった。
その日からカラオケオールや友人の家を泊まり歩いたりして、夜に家に帰るのを避けて過ごした。
しばらくそんな生活をしていても、やっぱり家には帰らない訳にはいかない…
どうしても一人で帰るのが怖くて片っ端から友人に声をかけ、今晩泊まってくれる人を集めた。
その日は暇だったAと、バイト終わりでBとCも来てくれることになった。
ただ、「何かが出る」話は黙っていた…

244 235 sage 2011/05/27(金) 03:45:01.32 ID:P8sJCdib0
俺とAは一度俺の部屋に戻ってからBとCが来るまでに近所のスーパーへ酒や食料の買い出しに出かけた。
ちなみにAは普段小さなダイニングバーみたいなところでバイトをしていて、料理もできるはずだが、
スーパーでは惣菜系ばかりを物色していた、料理をする気はゼロのようだ…
大量の酒と少しの食料を買い込み、帰る途中でコンビニへたちよった。
Aがめずらしくレジでタバコを注文をした。
「あれ?Aってタバコ吸ってたっけ?」
「ん?たまにはいいじゃん、あ、お前んち禁煙?」
なんて会話をしながら俺の家に戻った。

家に帰るなりAはすぐにビールを開けて飲みはじめた
「BとC待たないのかよw」
「待てない、俺そんなに待てない」
「アル中かよw」
軽口を叩いてはいたけど、Aは1浪しているので年齢的には一つ上で他の同級生よりも少し大人びていた。
少し近寄り難い雰囲気も持っていたが、逆に今はそれが安心感を与えてくれていた。
252 235 sage 2011/05/27(金) 04:01:52.16 ID:P8sJCdib0
しばらく2人で飲んでいるとBとCもバイトを終えてやって来た。
Aはすでに出来上がっていて、と、いうかすでに眠そうだった…
一通り4人で盛り上がっていたが、Aが「あかん、限界やぁ、何かおもろそうな事あったら起してぇ」
と、関西弁でワガママな事を言って眠ってしまった。
残された3人で深夜テレビを見ながら他愛も無い話をしてたんだけど、段々と口数も減りゆっくりみんな眠りに入っていった。
しばらく眠っていただろうか?
突然キーンという耳鳴りが聞こえる、体が動かない…金縛りだ…
つけっぱなしだったテレビの音が聞こえる。
俺はゆっくり目を開けてみる。
いる…ドアの近く、この間と同じ場所に…テレビの光で、少しだけ見える…女性だ…
叫びたいほど怖かったが声もでなかった。
その時、ガサガサっと音がした。何かが動いた。
Aが目を覚ましたのか上半身を起していた。
よりによってAはドアの一番近くで寝ていた…というか「あれ」のほぼ足下だった…
Aは「あれ」に気付いてないのかムクリと起き上がりドアから出て行った。
俺はまだ体を動かすことも声を出す事もできなかった。

257 235 sage 2011/05/27(金) 04:15:01.55 ID:P8sJCdib0
トイレの流す音とドアを閉める音が聞こえてAが部屋に戻ってきた。
戻ってきたAは暗がりの中でタバコを吸い始めた。
タバコを吸わない俺たちに気を使ってか、部屋のドアをあけてキッチンの方に煙がいくように…
ゆっくりとタバコをふかしていたAは火を消すと、テレビも消してゴロンと寝転がったようだった。
その瞬間ふっと俺の体が軽くなるのが解った、と同時に気を失うように眠ってしまった。
翌日の朝、Bの携帯の目覚ましの音で目を覚ました。
目を覚ますと部屋にAは居なかった。
昨晩の「あれ」の事を思い出し、ヤバい事になったか!?と思ったが、すぐにAは見つかった。トイレで…
ただの二日酔いで吐いていた…
昨晩の事を3人に聞いてみたかったが、何も言って来ないのできっと何も感じなかったんだろうと聞くのはやめた
BとCは午前中の授業から出席するというので先に出て行った。俺たちも昼からは行くと約束をした。
だが、俺とAが2度寝から目覚ましたのは夕方だった…

262 235 sage 2011/05/27(金) 04:26:14.48 ID:P8sJCdib0
夕方、目を覚ましたAはやけに元気で
「アダルトなビデオが見たい、お前どこに隠してんだよ?」といいながら家捜しを始めた。
「隠してねーよ、そもそもAVはネットで見るから」
俺はホントにAVなんて持って無かったし、Aに見つかって困る物も無かったので放っておいた。
Aは備え付けのクローゼットの中まで探索していた。
「あっ!」
「え?何」俺は聞き返した。
「これお前の?」と言ったAの手には見覚えのない木製の綺麗な箱があった。
「いや、見た事ねーよ」
Aはためらうことなくその箱を開けた。中には小さなアクセサリーが入っていた。
イヤリングやネックレス、宝石には疎いのでどれくらいの価値があるのかはわからなかったが…
「これ、どこにあった?」俺はAに聞いてみた。
「あのクローゼットの天袋?っていうのかな、ちょっと屋根裏っぽいところ。中学生がAV隠すには調度良さそうなry」
「だからAVは隠してねーよ、っていうかホントにこれ俺のじゃないんだけど」
「じゃ、前の住人の忘れ物じゃねーの?不動産屋に聞いてみたら?」

267 235 sage 2011/05/27(金) 04:32:11.23 ID:sKFTW5xx0
俺は不動産屋に電話をしてみた。
案の定というか、やはり前の住人は女性だったらしく不動産屋が連絡をとって聞いてくれるということになった。
俺は何となく「あれ」の原因はこの箱のような気がしたので、飯を食べに出るついでに不動産屋に箱を渡しにいくことにした。
Aと2人で出かけて不動産屋に箱を渡して、飯を食って家に戻った。
そしてAは今朝の2日酔いの事など忘れているようでまたすっかりできあがっていた。
その晩もAは家に泊まっていった。
俺はまた「あれ」が出るんじゃないかという恐怖もあったが、心のどこかに「もう大丈夫」という安心感もあった。
そしてとうとう「あれ」は出なかった。
2週間ほど何事もなく過ごしていると、不動産屋から電話が入った。
何でも、やっぱりあの箱は前の住人の物だったらしく、どうしてもお礼が言いたいので俺の連絡先を教えても良いか?との事だった。
俺もどんな人か気になったので前住人からの連絡を待つ事にした。
翌日、前住人から連絡があった。よほど大切な物だったらしく丁重なお礼の言葉をいただき、俺もまんざらでもなかった。

今は長野に住んでるようで、来週こちらにくる予定があるらしく直接お礼に伺ってもよいかということだった。
一度はお断りしたものの、やはり俺も興味があったので俺の部屋に来る事になった。
俺はまたAを誘った。
やはりAもこの話に興味をもったらしくバイトをサボってまで家に来てくれる事になった。

277 235 sage 2011/05/27(金) 04:40:41.60 ID:P8sJCdib0
当日、家のインターホンをならしたのは、調度俺の両親くらいのご夫婦と大学生くらいの(可愛い)娘さんだった。
とりあえず、上がってもらってひとしきりお礼やお土産をいただいた後、Aが家にやってきた。
両手いっぱいに酒と食材を持って…
「あ、こいつがAです。たまたま家に泊まりに来ててあの箱を見つけまして…」
と、Aを紹介した。
何となく、Aが来たおかげか少し緊張感は無くなったようだった。
割と社交的なAは買って来たビールをみんなに勧めて、もちろん自分でも飲んでいた。
しばらく飲んでいるとAは
「じゃぁ、僕ちょっと料理でも作ってきますよ、レストランでバイトしてるんで得意なんですよ」とやけに張り切ってキッチンへ出て行った。
すると娘さんも「私も手伝います」と言ってついて行った。
ちょっと羨ましかった
ご夫婦と俺の3人ではなかなか会話も無かったが、不思議と気まずい雰囲気もなく、ゆっくりビールを飲んでいた。
少し酔いも回って来た所で俺は「よほどあの箱を大事にされてたんですね」と聞いてみた。
282 235 sage 2011/05/27(金) 04:46:23.33 ID:P8sJCdib0
「あれは娘の…」
俺はキッチンの方に目をやった。Aと娘さんが騒がしく料理を作っている。
「いや、あれの姉がおりましてね。」
「実は…半年ほど前に体調を崩して長野に戻って入院していたんですが2ヶ月ほど前に亡くなりまして…」
「あ、すいません、余計な事をお聞きしてしまって…」俺は何と言って良いか解らなかった。
「いえいえ。あの子が入院中もあの箱の事を気にしておりましてね…突然倒れて、バタバタと入院引っ越しとなりましたもので、、
私たちもずっと探しておりまして、こちらのお部屋も一度解約したあと空き家だったところを大家さんに頼み込んで
探させていただいた事もあったんですが…」
「私たちには見つける事ができませんでした…本当に感謝しております」
お父さんの瞳には涙が溜まってるのがしっかりわかった。俺も酒のせいもあって涙腺がゆるみかけていた。

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