洒落怖
秘密基地

この怖い話は約 3 分で読めます。

今回はさして盛り上がりはないけど適当に投下します。

花園にある廃墟

俺たちがまだ小学校高学年のとき、友達が「秘密基地を作ろう!」なんて言い出した。
そんな言葉を聞けば幼心にとても興奮してしまうわけでさっそく秘密基地が作れそうな
土地を友達A、B、C、俺で探した。

土地は結構すぐに見つかった。Aの家の近くに川が流れていてその堤防の周辺には木が生い茂っている
ちょっとした林があったのだ。4人で秘密基地をどんな広さ、形にするか相談し、早々に
作業に取り掛かった。しかし小学生で力も無く知恵を回らずに結局自作秘密基地は失敗に終わった。
そこでBが「俺んちの近くに誰も住んでない家あるからそこは?」と言い始めた。
口々に「言ってみよう」という声が上がる。誰一人として反対しなかったのは幼心ゆえのものだろう。
翌日、透き通るような晴天の日に俺たちはその家を見てみることにした。

581 2/9 ◆45ufnzNc1s New! 2011/04/08(金) 13:46:49.99 ID:YsJCF6vK0
Bの家から徒歩で30分くらい。その家は周りを雑木林、真っ白い背丈の低い花で囲まれていて
どことなく秘密基地には似合わないんじゃないかとさせる雰囲気を漂わせていた。
そんなことを考えながらも学校で「俺たちには秘密基地があるんだ」と自慢したいだけで
4人はそこを秘密基地とした。人が住んでいる気配はまったくしない。10数年は放置されていたかと思う。
ドアはたてつけが悪く何回もつっかえながら開ける、といった風だ。

また翌日、今度は掃除をすることにした。地図を簡単に描いて役割を決め、たまった砂埃を
払う。基地は玄関から入ると奥に通じる通路があり玄関の横に階段。
1階は居間、台所、トイレ、と部屋2つ。2階は広いホールをトイレ、部屋1つ。
俺は2階のホールをAと一緒に掃除していた。
15分くらい経ったころ、同じく2階の部屋を掃除していたCが俺らを呼び出した。
「こっち来て見てくれ」「何?」「なんかあった?」
どうもCは何かを覆っている布をとるのが怖かったらしい。

583 3/9 ◆45ufnzNc1s New! 2011/04/08(金) 13:49:28.79 ID:YsJCF6vK0
まだ11時くらいで全然明るいので俺もAも怖い、といった感情は沸いてなかった。
Aと俺は「埃が落ちるから」って理由で慎重に布を払った。箱だ。木箱。
1階のBを呼び4人で囲う。「なにが入ってるんかな?」「お金だったらいいな」
皆が自分に都合のいいように箱の中身を言い合う。

開けないことには話しにならないのだが、俺とCは拒絶した。だって絶対やばいし…。
明らかに日常とは隔した世界にあるように思えるその箱が放つ雰囲気は触るだけで
引き込まれてしまいそうな…そんな感じをさせたのだ。
といっても、そこは好奇心の塊小学生。すぐに開けよう、で満場一致。
Bが開ける。開けた。しかし中が見えない。なぜ?

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