Categories: 洒落怖

広い床

この怖い話は約 2 分で読めます。

友人Aから聞いた話。

Aが都内のある雑居ビルでバイトをしていたときのこと。仕事がなかなか片付かず、
先輩と二人で夜1時すぎまで4階の事務所にいたのだが、どうにか残りの仕事は先輩
一人で終わらせられるところまで来たので、先輩が先に帰れと言ってくれた。

これさいわいと、「すいません、あとはお願いします」とAは事務所を後にして
ボロいエレベータに乗って1階のボタンを押してぼーっとしていたのだが、
階数の表示が4→3→2→1となったがエレベータが止まらなかった。
そのビルには地下階はなく、エレベータのボタンも1階までだし、階段も1階で
終わっているという。

えっ?と思っていると、階数表示が消えて、それでもしばらくエレベータは
動き続け、時間的に地下2、3階ぐらいの位置でようやく止まってドアが開いたらしい。

開いたドアの外は真っ暗で、エレベータから漏れる証明の光は広い床だけを
照らしていた。びびったAは何も考えずにエレベータの1階のボタンを押した。
ところが、ボタンを押したとたん、エレベータの照明も消えて、完全な真っ暗闇に
なってしまった。

恐怖でパニックになりかけたが、とにかく光が欲しいという思いで、尻のポケットに
入れてあった携帯電話を取りだそうとしたとき、Aは周囲に何かの気配を感じて
固まった。そして、その瞬間から後の記憶がないのだそうだ。

気づいたときAはそのビルの1階の階段の上に倒れていて、時間は午前3時を過ぎて
いたらしい。そして猛烈な頭痛を感じたという。階段で4階に上がったが、もう先輩は
帰宅していたようで、Aはふたたび階段を下りて帰宅したという。

そして翌日、唐突にそのバイトは首になったそうだ。

Aはそのビルを調べたいと言っていた。俺は消されるからやめとけと忠告しておいた。

bronco

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bronco

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