Categories: 洒落怖

威嚇

この怖い話は約 3 分で読めます。

うちの猫の話。

うちには二匹、猫がいる。
屋根裏で生まれた猫で、にゃあにゃあ五月蝿いので様子を見に行ったら親猫が逃げて行ってしまった。
そのまま死なれても寝覚めが悪いので飼い始めたのだが、両方とも雌。
これ以上の責任は持てないという事で、悪いが子宮を取ってしまった。
手術後のみぃみぃというか細い声はたぶんずっと忘れられない。

元々猫は嫌いではなかったので、普通に可愛がって育てた。
猫用の哺乳瓶からミルクを飲ませるために抱いてたりすると男ながらに母性愛がw
最終的には吸い口を噛み千切るぐらいに元気に育ってくれた訳ですが。

で、二匹の内一匹はやや太り気味で家の敷地からは滅多に外に出ない黒猫。
もう一匹は一日のほとんどを野外で過ごす活発な茶猫。
両極端だけれど仲が良いのか悪いのか、くっ付いて寝る事もあれば喧嘩する事もある。
ただ二匹ともうちの家族に実によく懐いてくれた。
黒猫に至っては餌を食べる時に必ず家族の誰かを呼びに来るほど。
撫でられながら食べるのが大好きなようで、いつもゴロゴロと喉を鳴らしている。
逆に茶猫はほとんど家の外を巡回している。
ただ、仕事から帰ってくると待ってましたとばかりに足下でごろんごろんと寝転がって甘えてくるけど。

598 本当にあった怖い名無し sage 2010/06/04(金) 15:21:12 ID:+oHGTq2T0
ある日、知らず知らずに『出る』というホテルに泊まってしまった。
俺自身は小さい頃はともかく今はまったく霊感がない。
実際そこに泊まっても特に何も起きなかったし感じなかった。
だが、家に帰ると猫の様子がおかしい。
何故か怒ってる。
黒猫はよく家の入り口の門柱の上で丸まっている(狛猫状態w)んだが、その時は全身の毛を逆立てて眼を真ん丸に見開いて睨んできた。
ちょっとビビって立ち竦んでると、茶猫の方がどこからか物凄い勢いで駆け寄ってきて、こちらもこちらで尻尾を膨らませて威嚇の唸り声を上げてくる。
何か嫌な臭いのするものでも…と一瞬思ったが、幾らなんでも様子がおかしい。
下手に近付くのも危ないなと思ってしばらく待ってたんだが、茶猫の方がじわじわと近付いて来た。
そのままこちらの背後に回りこむ。
そして何故かこちらに背を向けて、外側の空間を威嚇し始めた。
その時は曰くつきのホテルに泊まった事自体を知らなかったし、前述の通り霊感もないので実感こそなかったものの、何となく(何かに憑かれた?)と思った。
動くに動けずしばらく硬直していたけれど、急に風が(嫌な感じじゃなくて、体の中も通り抜けるような涼しげな風が)吹いた。
そうしたら茶猫がいつもの調子に戻って足に頭を擦りつけて懐いてきた。まだ尻尾は膨らんだままだったけど。
黒猫に至ってはそ知らぬ顔で顔を洗い始めてる。

猫達なのかあるいは氏神様や土地神様が助けてくれたのかは解らないけど、とりあえずその日は神棚と仏壇を拝んで、猫をたっぷり可愛がって一緒に寝た。

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