Categories: 洒落怖

お姉ちゃんの話

この怖い話は約 3 分で読めます。

お姉ちゃんの話。
お姉ちゃんは今は普通だけど、十代後半から二十代後半ぐらいまで霊感らしき物がありました。
本人は嫌な感じが分かるとか心霊体験したとか、嘘くせえんだよと思っていました。

ある夏休み一人暮らしのお姉ちゃんの家にお泊りに行きました。
かなり夜更かしして、そろそろ寝ようとなり、布団を並べて一緒寝ました。
お姉ちゃんの部屋は2階で、ベランダ側にお姉ちゃんの布団、すぐ隣に私でした。
私は興奮して眠れなかったのですが、お姉ちゃんはすぐに寝息をかいて寝てしまいました。
外もだんだん明るくなりはじめていたのですが…。
どうしても眠れなかった私は、姉を起こすと怖いので、横になったまま薄暗いなかこっそり漫画を読みはじめました。

しばらくすると姉が唸り声をあげ、ガバッと起き上がりました。
「お前のせいで目が覚めた!」…と、怒られると思ってビビッたんですが、お姉ちゃんはすごい剣幕で…。
「あんた、今、私の顔覗かなかったよね?」と…。
もちろん私は否定します。
するとまた「じゃあ、ベランダから誰か入って来てないよね?」と、言います。

全く意味不明で怖いので詳しく聞くと。
「さっきベランダ側から髪の長い女が顔を覗いてた。胸から上だけだった。なんで○○○は変な人来てるのに助けてくれなかったのか?」
「その人は数秒覗き込むとビデオの巻き戻しみたいにキュルキュルって、ベランダに戻ってまた覗き込んで…何回も!何回も!戻るとき超早いし!!」と早口で言いました。
私は姉の普通じゃない雰囲気に怖くなり、そんな人は居ないし私も覗いていないしカーテンすら揺れていないと、夢でも見たんだと説得しました。

「でも、だって…。」と否定されると思ったのですが、お姉ちゃんは即納得し「そうだよね。もしオバケが来たても○○○が居るから安心だよね!」と直ぐに寝直しました。

いきなり怖い話もどきをされて凄い怖くなって私も無理矢理寝る事にしました。
もうすでに外は大分明るくなって居ます。
安物のカーテンでは日の光は遮れません。
眩しいな…とベランダ側を見ました。
カーテンが揺れています。
何でカーテンが揺れて居るのか考えると怖いので、お姉ちゃんだなと言い聞かせ、反対側を向いてずっと目を閉じたまま昼を迎えました。

終わり

bronco

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bronco

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