Categories: 洒落怖

あっち

この怖い話は約 3 分で読めます。

3ヶ月前の事だ。
私は親戚の披露宴に出席するため、東京に行った。
披露宴は盛況に終わり、皆それぞれ帰路についたが、私は18~24歳までの間、東京に住んでいたため、
懐かしく思い、丁度仕事もなかったため、1週間ほどウィークリーマンションを借りた。
西新宿のある不動産屋に足を運び、大久保のマンションを借りられることとなった。
当時よく遊んでいた歌舞伎町もすぐ近くのため、喜んでそこに決めた。
久々の歌舞伎町で友人と語らい、夜の街を楽しんだ。
1週間ほとんど朝帰り状態で、早朝に帰って夕方に起きるという日が続いた。
だが、帰る前日だけは朝早くの出発だったため誰とも会わずに夜のうちに寝ることにした。
その夜、夜中に一度子供の声で目が覚めた。
「ん?なんだろ?韓国語か?ま、眠らない街だし、夜中に子供起きてても不思議じゃないか」
と、再び寝たのだが、今思うとおかしい。
その子供、自分の部屋のトイレから喋ってなかったか?

656 本当にあった怖い名無し sage 2010/09/06(月) 20:54:39 ID:FcL196Np0
その後、バイクを買う予定があり宇都宮でバイクを買い、山形県の実家まで帰った。
家庭の事情で、しばらく単身赴任のような形で実家の仕事を手伝うことになっていたのだ。
実家の2階の部屋を間借りしての生活で、2階には弟夫婦もいた。
その弟夫婦の嫁が、たいそう霊感が強いらしく、色々と不思議なことを言う子だった。
実際、ある日の昼間に弟嫁が「近所の床屋のおじいちゃんがうちの仏壇拝みに来た。」
と言う事があったらしい。
そのおじいさんはその日に亡くなっていた。

その弟嫁が帰ってきた私に会って一言…
「にぃに… 何連れてきたの…」

霊感が全く無い(と自分で思ってる)私は、ハァ?って感じで相手にしなかった。

 数日後の夜、変な違和感で目が覚めると、白い子供の手が私の手を握っていた。
それはすぐに消えたが、私はとことん鈍感な人間なのか、
「ふ~ん」ってな心境で、すぐまた寝てしまった。

657 本当にあった怖い名無し sage 2010/09/06(月) 20:56:51 ID:FcL196Np0
次の夜、また何か出るかな?って少しワクワクしながら床についた。
すると夜中に今度は「…っち  …っち  あっち… あっち あっち あっち」
と段々大きくなる声がする。
「夢か?」と思い目を開けると、それでも聞こえる。
私は壁側を向いて寝ていたのだが、どうも背後でつぶやいているようで、振り返ってみた。

すると、真っ黒な女が私が寝るときに向いていた壁を指差していて「あっち!!」と叫んだ。
とことん鈍感な私でも、「あ、こりゃ幽霊だな」と思い、どうしようか考えた。
師匠シリーズを読んだときに、師匠がやけに幽霊に強気だったのを思い出す。
そこで私もキレネンコばりのガンを飛ばして、「うぜえ!」と言ってやった。
黒い女は消えていた。

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