Categories: 洒落怖

父を悩ます老婆

この怖い話は約 3 分で読めます。

ありふれた怪談話のようですが実話です
子供時代の記憶なので細部は合って無いかもしれませんが
長文でよければお付き合い下さい

父は憑依体質というか、毎晩のように唸される人だった
対して母はまじない師の家系だったからか、そういうのを跳ね除ける人
父が唸されても、母が胸あたりをペシッとすれば収まっていた

大雨が続いた秋だったと思う
ある夜から父が尋常じゃない唸され方をするようになった
金縛りにあい、家中に響くような大きな声で唸る

半月ぐらい経った頃、金縛りにあった父がふと横を見ると、そこには白装束の老婆が
あちらを向いて横たわっていた。いよいよ見えるようになってきた
父は日に日にやつれていく

ある夜。すさまじい唸り声が父の寝室から聞こえた
起きていた私は寝室のドアを開けようとしたが、頭の中で警報というか「開けるな!」
という声を聴いたような気がして、
あわてて風呂に居た母を呼びにいった

362 2/3 sage New! 2012/02/02(木) 15:23:30.48 ID:7Ga3oUvA0
母はすぐに出てきて、寝室のドアを開けた
その瞬間、私は見てはいけない!と反射的に顔を背けた
父は白目を剥いて悶えていたらしい
母が頬を張って叩き起こすと、真っ青ながらも正気に戻ったようだ

翌朝父は、寝室のタンスのガラス戸から、あの老婆がぬう~と出てくる夢を見たと、
震えながら語った

当時、私はキョンシーのグッズはまっており、お札に悪霊退散と書いて念を込め、
そのタンスのガラス戸と、窓の方に貼った
次の日父は久しぶりに唸らなかった
しかし次の夜、最大の恐怖がやってくる

父は寝て居ながらも、家全体の事が見えたらしい
寝室の外から、老婆が入ってこようとしていた。しかしその位置にはお札がある
タンスのガラス戸からもダメだった
そこでトイレ側の窓をぬっと通りぬけ、物凄いスピードで寝室の戸をすり抜け、父の方へ…

その夜、凄まじい父の叫びが響き渡った

いよいよ尋常じゃないと、何でも見えるという、この地方の言葉では「ほっしゃどん」という
霊能力者に見てもらうことになった

363 3/3 sage New! 2012/02/02(木) 15:25:23.36 ID:7Ga3oUvA0
その方は、確かに父に老婆が憑いているといい、なんとその老婆の名前を口にした
父はその名前に覚えがあった
昔近所に住んでいたおばさんで、小さい父を色々と可愛がってくれていたそう
ほっしゃどんが言うには、「あなたに救いを求めている。墓を見てみなさい」

翌日、親戚の方に了解を貰い墓を見に行った
墓の中で遺骨は、骨壷にも入っておらずただバラ撒かれ、長雨のせいで水に浸っていた
なぜそんな状態だったのか
老婆には子供や旦那などが居なかった。つまり一人っきりだった
なので亡くなった時、一番近い親族のTが葬儀をしたのだが、Tは骨壷すら惜しんだ

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