洒落怖
託された箱

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田舎出身の大学生です。両親は早くに死に、祖父と港町で暮らしていましたが、田舎が嫌で勉強して無理やり東京の大学へ進みました。
今思えば、育ててくれた祖父を一人残して酷い孫だったと思います。でも、都会の生活は刺激的で日々過ぎるのががすごく早くて
自分なりに充実した毎日を送っていました。
でも、親戚のおばちゃんから突然の祖父の訃報がありました。
私はすぐ帰りました。大変お恥ずかしい話ですが、そういったとき、どのように進めればいいのか私は全く分からず、全て親戚達が進めてくれました。形ばかりの喪主でした。
ひと段落ついたころ、父の姉から私は一つの木でできた箱を受け取りました。
これは貴方の権利でもあり、義務なのだというようなことをもごもご歯切れの悪い言い方で言われ、
絶対に手放してはいけないと言われました。また、開けても、この話を人にしてもいけないと強く言われました。
でも、伯母はそれ以上は何を聞いても教えてくれませんでした。
特段、悪い気もしなかったのですが、気になったのと、何も教えてくれない伯母への反抗心で、
つい箱を開けてしまいました。茶色く変色した紫の紐をほどいて、目張りするように張っていた
お札のようなものは、あとで貼りなおせるようできるだけ丁寧にはがしました。といっても、熱中している内にぼろぼろになっていましたが。

592 本当にあった怖い名無し 2010/02/13(土) 20:48:37 ID:y8y+VJV90
箱を開けると、しろい、布や綿に固定された白く乾いた何か動物の頭か何かの
ミイラのようなものが入っていました。
息が止まるかと思うほど驚きました。
慌てて蓋をして、部屋の隅に押しやりました。
こんなに恐ろしい思いをしたのは始めてです。
でも、時間が経つと、少し、勇気が戻ってきました。
もう一度、それが何なのか、よく見ようと、箱に手を伸ばしました。そっと蓋を開け、おそるおそる、
手を伸ばしました。そのとたん私の中指の爪がピシリと縦に割れました。
爪の下にも血が通っているのですね。一瞬のことだったのに血がはたはたと
箱の中にこぼれました。私は声にならない悲鳴をあげ、蓋を戻して箱から離れました。
死ぬほど、本当に死ぬほど恐かったです。
今は落ち着いています。
白い箱が部屋の隅にあって、私の中指はじんじんと熱く痛んでいます。
東京にはこんなこと離せる人がいないということを思い出して、しかも、今日は一人で、寒くて、鬱です。

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