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ドルイド信仰

この怖い話は約 4 分で読めます。

【ドルイド信仰】
ドルイドとは、ケルト人社会における祭司のこと。Daru-vid「オーク(ブナ科の植物)の賢者」の意味。
ドルイドの宗教上の特徴の一つは、森や木々との関係である。ドルイドはヤドリギの巻きついたオークの木の下で儀式を執り行っていた。
柳の枝や干し草で作った編み細工の人形を作り、その中に生きたまま人間を閉じ込めて、火をつけて焼き殺し、
その命を神に奉げるという、人身御供の祭儀も行っていた。
刑罰の一種として、森林を違法に伐採した場合、樹木に負わせた傷と同じ傷を犯人に負わせて木に縛り付け、樹木が許してくれるまで磔にするという刑罰もあった。

自分の叔父は、仕事柄、船で海外に行く事が多かった。詳しい事は言えないが、いわゆる技術士だ。
1年の6~7割は海外(特に北欧)で仕事をしている様な人で、日本に帰って来ている時は良く遊んでもらったものだ。
今は既婚で、引退して悠々自適な生活を送っており、知識も豊富でバイタリティ溢れる快男児だ。
以前も、2話程、叔父関連の話を書いているはずだ。その叔父に、こんな恐ろしい話を聞いた。
当時叔父は30代で、彼女とマンションに同棲しており、幸せに暮らしていた。
ひょんな事から、お隣さんと親しくなったらしい。お隣さんは年配の夫婦で、病気の子供が1人。
旦那さんも仕事柄、海外に飛ぶ事が多いとの事だった。話題も合うと言う事で、叔父とは意気投合し、
その奥さんも温厚で、夕食を呼んだり呼ばれたりする仲にまでなったそうだ。ある年の真冬。
そのご夫婦と賑やかな食卓を共にしていると、そのご夫婦の別荘の話題になった。
何でも、関東近郊の閑静な山奥に、別荘を1つ所有しているらしい。
近くには小川もあり、魚等も釣れ、年に1度は家族で、病気の息子の療養がてら遊びに行くらしい。
どうやら今年は仕事の関係で行けなくなったらしく、叔父達に、良かったら使ってくれても良い、との事だった。
アウトドア好きな叔父は、喜んで使わせてもらう事になった。そんな叔父と趣味も合った彼女も賛同したらしい。
そして、翌年の年明け、叔父は彼女と共に、その別荘へと向かった。

212 その2 sage 2009/12/27(日) 23:06:55 ID:7jwJJ7JM0
あまり舗装されていない山道を、40分ほど登った場所にその別荘はあった。
別荘を目にした途端、彼女の溜息が聞こえたそうだ。感動ではない方の。
「ホント、掘っ立て小屋みたいな感じだよ。こっちは小洒落たロッジ的なモノを想像してたんだけどな。
 あの夫婦の説明を聞く限り、誰でもそう思うと思うよ」
叔父は苦笑しながら言った。とにかく、その「別荘」はお粗末なモノだったらしい。
木造平屋で、狭い玄関。猫の額ほどのキッチン。古びた押入れに入った布団。暖炉がある広間がやや広い事だけは救いだったらしい。
来てしまったモノは仕方がないので、なるべく自分達が楽しむ事にしたと言う。
昼は川魚を釣ったり、近辺の林を散策し、野草を採ったり。それらは夕飯には天ぷらとして食卓に並び、それはそれで楽しい夕飯だったそうだ。
「野草を採ってる時に、かろうじて遠くに別荘が見えるくらいの距離の、少しだけ森の深くに行ったんだが…
 その時にちょっと気になるモノがあってな。ナラ(楢)の木があったんだよ。クヌギなんだけどな。
 この森にクヌギの木ってちょっと浮いててな。周りは違う種類ばかりだし、明らかにそこだけ近年植林したんじゃないかなぁ。上にヤドリギも撒きついてたよ。
 クヌギは10年も経てば、大きくなるからな。で、気味が悪いのが、そのクヌギに何か文字が彫ってあってな。
 オガム文字って言ってな。古代のドルイド(上記参照)等が祭祀に使ってた文字なんだよ。
 横線を基準と見て、その上下に刻んだ縦や斜めの直線1-5本ほどで構成されててな、パッと見文字には見えないんだが…
 ま、何て書いてあるかまでは分からんが、不気味ではあるよな。日本だぜここは」
叔父の様にオカルト方面に知識がある人から見たら、確かに不気味なのだろう。
そんなこんなで、その日の就寝の時に事件は起こった。

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