一瞬の静寂

特に何をするわけでもなく、「ぼけ~」っと、してしまう時があります。
頭を働かせることも無く、虚ろな状態と言うのでしょうか?・・・その様な状況になります。

原因は分かりませんが、慌しくせわしない毎日にうんざりし、疲労感とイライラが恒常的に感じると、体と脳が防衛本能を働かせるとでも言うのか、いきなりテレビやオーディオの電源を落としたような「停止と静寂感」になるのです。
一瞬の感覚なのかと思ったりするのですが、どうも何秒間はその状態我が続いているような気がします。
正確にどれぐらい時間が過ぎているのか不明なのですが、感覚的にはそれなりに時間が経過していると思われます。

 私の知識や経験では正しく説明できないのですが、これを「瞑想状態」と言うのでしょうか? もし、「瞑想」であれば、リラックス状態で良いことなのかもしれませんが、ごく稀にその停止状態中に、説明のつかない状況に陥ってしまうことがあるのです。
特に、その状態が長く続いたと感じる時程、状況が酷くなることがあります。

これからお話することは、先週末のそんな状況での出来事なのです。

239 本当にあった怖い名無し sage 2009/10/20(火) 16:28:48 ID:n/JJvvmc0
ことの始まりは、夜8時過ぎだったと思います。仕事が終わり、いつものように帰宅途中の電車の中でのことでした。
仕事帰りの勤め人や学校帰りの学生と、皆一様に疲労感が漂う社内でした。
何人かの乗客は、電車特有の振動と車輪の音が眠りを誘うのか、座席シートで寝入ってしまっています。
車窓の外は夜の闇が広がり、車内の照明の光が届く範囲をぼんやりと照らし出しています。
線路際の住宅やアパートから、家々の明りがチラチラと目に入ってくる日常の光景でした。
私自身も、一日の疲れから座席に座り「うとうと・・・」と、してしまいそうなのです。しかし、後数駅で降りなければなりません。
睡魔に襲われながらも、必死に戦っている状況でした。車内のどこからか分かりませんが、まわり人達の会話らしき雑音が聞こえてきます。声の感覚からすると、4~5メートル程度の離れた距離にいる、二人の中年女性乗客と思われます。

241 本当にあった怖い名無し 2009/10/20(火) 16:31:29 ID:wuPhWC6p0
オカルトではないのかもしれないけど、最近父から聞いて恐怖したこと。

うちの一族は元々祈祷師の一族で、今でも酷い風習が残っている。
それは、「一族の当主が亡くなったとき、最も若い人間が人身御供となる」
というもの。少しでも一族の血が流れていれば対象に含まれる。
それが、最近まで私が対象であったのだ。

「一族の始と終を繋げることによって、魂が一族の中で廻るようにするため」
らしい。ちなみにカッコ内の言葉は父に言われたとおりのまま。
昔は、当主が亡くなるとその遺体と一緒に折り重なるように、大きな木箱に
入れて切り刻み、骨を砕く。それで血でいっぱいに満たされたら蓋をして祠に奉じる。

ちなみに今は当然殺人は犯罪。だから代わりに7日間、遺骨とともに
祠で過ごすことになっている。それでも、この儀式は成立してるらしい。
理由は様々だが、この儀式の最中か数日後には皆亡くなっているから。
一族が祠にいる時になにか仕組んでいるのかもと言っていた。
その後の流れは同じようにしているとか。

一時期、この儀式そのものを廃止するという話もでたが、実行してから
まもなく一族の中で祟りが起き始めたらしい。生まれてくる子どもが
流産や、障害をもって生まれてくる。当主になった人が相次いで事故死。
ほかにもいろいろあったそうだが、父は教えてくれなかった。

従妹が子どもを産んだため、私が人身御供の対象から外れたため父が教えてくれた事実。
対象から外れるまでは教えることも禁止となっているので言えなかったそうだ。
もし、それまでに当主が無くなっていたらとおもうと怖くて今でも震えが止まらない。
なにより、生まれてきた赤ん坊が不憫で仕方がない。

一番怖かった話だけですが、これで終わりです。他にも信じられない話をいくつか
聞かされましたが恐怖とは少し違うので。

242 本当にあった怖い名無し sage 2009/10/20(火) 16:33:36 ID:n/JJvvmc0
会話の内容に意識を集中していないため、どのような会話かは検討もつきませんが、声の強弱が妙に印象に残っています。
リズミカルな電車の振動と音。乗客の会話が一方的に聞こえてくる中、いきなり静寂の「あれ!」が襲ってきたのです。

確かに、睡魔もありました。疲労感・倦怠感もありました。しかし、あの一瞬の静寂を経験している私には、そのどれもが原因ではないと断言できます。
意識せずにいる状況での「静寂状況」であれば、直ぐに元の状況に戻ることは経験上
知っています。今回も、直に先程の車内の状況に戻ると、簡単に思い込んでしまったのが間違いだったのです。

うまく表現出来ませんが、ラジオやワンセグで電波を急に拾ってしまった状況とでも言うのでしょうか?・・・。
いきなり、大音量で音楽が聞こえてくると思って下さい。それも、ヘッドホンをしたままの状態を想像してみて下さい。
心地よいBGMや大好きなアーティトの曲ではなく、暴力的な音量が両側から鼓膜に突き刺さったのです。

243 本当にあった怖い名無し sage 2009/10/20(火) 16:37:32 ID:n/JJvvmc0
体は一瞬で硬直し、瞼は限界まで見開いてしまっている状況です。
つまり、外観は目に映り体のみ動かない「金縛り」に襲われたと想像して下さい。
就寝中でもなく、帰宅途中の車内でそれは突然起こったのです。

どれぐらいの時間だったのかは検討がつきませんが、いつもよりもはるかに長い時間だってと感じています。
鼓膜から響く音量がこめかみに痛みと感じる程だったのが、やがて静かに囁く声に変わりました。
ただの騒音が、いきなり人の声に聞こえ始めたのです。

誰に問いかける訳でもなく、話し掛ける訳でもありません。しかし、それは間違いなく人の声に変わったのです。
それも、一人や二人の声ではありません。それこそ何人もの、人達が話をしているのです。
けっして、大勢で会話をしている状況ではありません。無秩序に、何人もの人が勝手に声を出しているだけなのです。

その内に、話している言葉が聞き取れ始めました。
・・・「死んでしまえ」。 ・・・「いやだ、いやだ」。 ・・・「つらい」。 ・・・「悲しい」。
一人の声質ではありません。男性の声、女性の声。若者らしき声や、高齢者の声質なのです。
つぶやくように、囁くように、恨みのことばを吐き続けるのです。

245 本当にあった怖い名無し sage 2009/10/20(火) 16:47:45 ID:n/JJvvmc0
私の頭の中で、「何故?」と言う疑問と「恐怖」が交差し、
この状況を無理やりにでも説明付け、理解しなければいけと言い聞かせている自分がいます。

頭の中で、依然「声」は囁かれています。
何度も、何度も・・・パニックになりそうな自分を、押さえるのに必死でした。

どれくらいの時間だったのか不明ですが、始まりと同様に囁く「声」が掻き消え。
金縛りが「ふっ」と解けたのです。
さっきまでの恐怖と緊張がウソのように消え、硬直していた体に脱力感が戻り、見開いた瞼を合わせることが出来ます。
大きなため息をひとつ吐き、見開いていた瞼を擦りながら前の座席に視線を移すと、
正面の乗客が私の顔を不思議そうに眺めています。
けげんそうに、チラチラと私の表情を盗み見ているのです。
察するところ、どうやら金縛りの状態を見られていたと思われます。
つまり、私の体感した恐怖の時間を、第三者が訳も分からないまま傍観していたことになるのです。
私が「大丈夫です」と乗客に声を掛けると、良かったと声にこそ出しませんが明らかに安心した表情になりました。
つまり、私が車内で転寝をしてみた夢や幻覚では無く、現実の出来事として実在している証なのです。

246 本当にあった怖い名無し sage 2009/10/20(火) 16:49:55 ID:n/JJvvmc0
金縛りの脱力感から回復しつつある状態と、降車する駅に車両が到着するのが同時でした。
座席から立ち上がる時に、心配をしてもらった見知らぬ乗客に会釈をし、急ぎ足で改札へ向かいます。

今の私は、とにもかくにも体を動かすか、考え事でもしていなければならないのです。
気を緩ませると、あの一瞬の「静寂」がまた襲ってくるのではないかと、恐怖で泣き出したいくらいでした。

いつもより、相当に早足だったと思います。通常の半分程度の時間で自宅に戻れたのです。
部屋のドアを開け、薄暗い玄関ですが中に入ると、安堵感と脱力感から座り込んでしまいました。

何回も、不思議な「一瞬の静寂」を経験している私でも、今日の恐怖は言葉に表せません。
自宅に戻れた安心感からか、先程の恐怖感がものすごい勢いで思い出されます。
恥ずかしい話ですが、恐怖による体の震えを止めることが出来ませんでした。

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