Categories: 洒落怖

黒蛇

この怖い話は約 3 分で読めます。

829 本当にあった怖い名無し 2009/08/24(月) 04:23:45 ID:F2cAW3VfO
洒落にならないまでかは分からないがひとつ

島根県のある地方で。
現在二十歳の自分はほとんど山の中に住んでいる。
普通山の麓や悪くても道の通った中腹に住むのが一般的だ。
何故か我が家は寺や林業に従事している訳でもないのに頂上付近の山中に家が構えてある。
幼い頃からだったので特別不思議はなかったし、逆に見晴らしのいい場所で嬉しかったもんだ。

幼い頃よく山で遊んだ。山全部が自分のものみたいで嬉しかった。
誰も来ないし、辺鄙な場所なのに秘密基地があった。そんな場所必要ないはずだが、子供とはそんなもんだ。秘密と名がつく自分だけの場所ってのは存在するだけ楽しいもんだ。

その場所は神社。しかも完全な正方形で左右対称。木の位置や庭石みたいなものの数まで。
さらに凄いのは前後も鏡みたいに対象なんだ。
奇妙なんだけど、鳥居も東西南北にあり、社も四面にある。

834 本当にあった怖い名無し 2009/08/24(月) 04:33:29 ID:F2cAW3VfO

勿論狛犬も八体いる。

そんな奇天烈な神社で人も来ないもんだからちょくちょく一人で来てた。
一人しかいなかった訳じゃない。1キロ下には幼なじみがいたから行けば良かったんだけど、この神社には連れて行けなかった。
祖父に他人を連れて行っては行けないとキツく言われていた。
さらにキツく約束させらるていた事は、「この神社は西から入って南から出なければいけない。10月だけは北から入って出口は東
さらに夜は行っては行けない。もし行ったら鳥居じゃない場所から出る事」
という約束。
なんか本当に秘密基地みたいで嬉しくて自分は暗号みたいなもんだったし、祖父が大好きで守っていた約束だった。

そして先日大学に通っていて久しぶりに帰る事になった。
そして今夏の盆に祖父と久しぶりにその神社の話をしたんだ。

また続く

835 本当にあった怖い名無し 2009/08/24(月) 04:43:34 ID:F2cAW3VfO

酒を飲むようになった自分に喜んで祖父はどんどん勧めてくれるから二人して多いに飲んだ。
翌日二日酔いの早朝に祖父が自分を起こす。早朝どころかまだ夜中の3時。
祖父は真っ白な服を来て白い徳利に日本酒を持っていた。
さらには肩には朱色のしめ縄。

「夕べは楽しかったな。
朝早くて済まないな。これから大事な用がある。
夕べ話した神社に着いて来てくれ」
眠くて冗談じゃないと断ろうか迷ったが、祖父は深刻な顔をしている。いつも優しい笑顔で微笑みを浮かべる仏様みたいな顔の祖父。
その顔がイーストウッドのような渋い険しい顔になっている。

何かあると思い。着いて行く事になった。

夜だが、朝に近い。秘密基地の約束からするとこの場合どこから入るのだろうか?と思案していると

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