Categories: 洒落怖

注連縄

この怖い話は約 3 分で読めます。

889 本当にあった怖い名無し 2009/08/17(月) 08:55:15 ID:a0/zsdaQ0
俺の田舎の祭りに関する話を投下します。
俺は神戸に住んでいるんだけど、子供の頃、オヤジの実家である島根の漁師町へ良く遊び
に行ってた。

9歳の時の夏休みも、親父の実家で過ごした。そこで友達になったAと毎日遊びまくって
て、毎日が凄く楽しかったね。ある日、Aが神社に行こうって言いだしたのね。しかも、神
社の社殿の中に入ってみようぜって。

この神社についてまず説明させて下さい。神社は山の上に立ってて、境内にまず鳥居があ
る。山から麓までは階段が続いていて、麓にも鳥居。それから、鳥居からまっすぐ海に向
かうとすぐに浜に出るのだが、浜辺にも鳥居が立ってるの。つまり境内から海まで参道が
まっすぐ続く構造。ちなみに神明社。

話を戻すと、俺はAについていって麓の鳥居の前まで来たんだけど、神様の罰が怖かった
のと、なんだか妙な胸騒ぎと言うか、嫌な感じがしていたから行かないって言った。Aには
この弱虫とかさんざん言われて、癪だから随分迷ったんだけど、結局俺は行かなかったの
ね。それで、20分ほど待ってたら、Aは戻ってきて「つまんなかった。社の中にはなんも
ない、鏡があるだけ。」と言っていた。なんだ、そんな物かと俺は、ほっとした。

890 注連縄2/6 2009/08/17(月) 08:57:02 ID:a0/zsdaQ0

次の日には、Aから弱虫呼ばわりされたのもケロリと忘れて、Aとやっぱり遊びまくってた。

楽しい夏休みもいずれ終わる。家に帰る時、Aは見送ってくれて、再来を約束した。
A「またな、来年も絶対来いよ。」
俺「おう。約束する。」

で、次の年の夏休みも島根に来たんだけど、俺は御馳走されたスイカを食べながら、
俺「明日は、Aと遊びたい。」
と言ったら、ばあさんと叔父さんの顔が急に曇ったのよ(ちなみにじいさんはずっと前に亡
くなってます。)。
叔父「あのなあ、お前はA君と仲良かったから黙ってたんだけど、実はA君は死んだんだ。」
俺「えっ」
叔父「夏休みが終わって、三日程してかな、海でおぼれちまって……。」
もう俺はショックだった。昨年の事を思い出して、もしかしたら神社の罰かもと思ったけ
ど、まさか社殿に入っただけで神様が祟り殺すはずはないよなーと思い直した。

891 注連縄3/6 2009/08/17(月) 08:58:00 ID:a0/zsdaQ0
それから、話が飛んで、俺が大学生の頃、オヤジが亡くなりました。
オヤジが亡くなった年の12月初旬に叔父さんから電話があって、大晦日から元旦にかけて
行う、オヤジの地元の祭りに参加しろとのことだった。
俺「おっちゃん、俺、神戸なんだけど。交通費もかかるし、参加しなくてもいいでしょ。」
叔父「馬鹿、お前、兄貴が亡くなったから、お前が本家の当主だぞ。○○(俺の名字)の本家
が祭りにでないなんて、絶対に駄目だ。兄貴も毎年参加して、元旦に神戸へUターンして
ただろ。」
俺「おかげでお袋は、その祭り、本当に参加しなきゃいけないの!って毎年ぷりぷりして
だけどね。」
叔父「ああ、言い訳は良いから。」
と言われて、しぶしぶ祭りに参加させれる事にちまった。

Page: 1 2 3

bronco

Share
Published by
bronco

Recent Posts

ブライダルフェア

いや、たいして怖くないんだけど…

4年 ago

教祖の妻の肖像画

親が昔、へんな宗教にはまってた…

4年 ago

The Body

10年くらい前の話だけど・・・…

4年 ago

謎の曲

出所が分からない所からの楽曲ダ…

4年 ago

エレベーターで見たもの

じゃあ俺が生涯で一番ビビった話…

4年 ago

強烈な遺体

久しぶりに民話でなく現代の話を…

4年 ago