洒落怖
拾ったクシ

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387 №1 sage 2009/08/14(金) 17:36:44 ID:7gzOo6w/0

身内の知り合いから聞いた話

時代はかなり前になります。話してくれた人のひいおばあさんのお話です。
時代はさかのぼり、まだひいおばあさんがご健在だった頃・・・
その方(後Aさん)が、ある時道端で櫛(くし)を拾ったそうです。
半月型の平面の櫛です。
今なら時代劇に出てきたり、歴史のある櫛屋さんでしか見られないような
大層な櫛だったそうです。
日本髪をする時の飾りのような櫛と言ったら分かって頂けるでしょうか。
 ものめずらしさにAさんはその櫛を持ち帰えったそうです。お話してくれた方は
「ひいおばあちゃんは特に気にも止めず、後に持ち主を探そうと思っていたかも
しれないんです」
そう、言っていました。

そんな出来事から数日後、Aさんの様子に違和感がある事に家族が気づくのです。
顔が青白くなり、酷く痩せていっています。
今まで普通に会話をしていたAさんが、うわ言をつぶやいたり、
突然意味のない事を話し出したり、明らかに今までのAさんとは違って
家族の方は心配しながらも様子を伺っていたそうです。
 そこのご家族は、Aさん、Aさんのご主人+Aさんの娘さん、お婿さん、お嬢さん
と同居されていたそうですが、
そのうちに、同居していたお孫さんは理由も知らされず、親族の家へ預けられたと言います。
(現在に戻ると、お話してくれた人のお母さんです)
しかし、お嬢さんの方と言えば、親族とは言え、そう長く他人の家にいるにも不都合が出てきます。
そして何より、理由も分からず離れてしまった家族にも、たいそう会いたくなったそうです。
そんな状態もあり、預けられてる親族の方にお願いし、家族に連絡を取ってもらい
親族の方と一時帰宅をしたときの事です。

388 №2 sage 2009/08/14(金) 17:42:44 ID:7gzOo6w/0

いつもの立派な長屋に脚を踏み入れると、お嬢さんは何かしら違和感を感じたそうです
暖かな昔の佇まいの家からは、何か獣のような臭いが漂い
幼いお嬢さんは不安になりご家族を探したそうです。

「おかあさーん、ただいまあー荷物取りに来たよーー」
返事はありません。
長屋の居間、台所、寝室、、、、買い物に行ったのかな?と思いながら
一緒に来ていた親戚より我先に、と、家の勝手知ったるお嬢さんは、パタパタと
家中を探し回ったそうです。
家族の姿をどこにも無く、ふと気づくとAさんの部屋で、
もしかしたらおばあちゃんはいるかもしれないとお嬢さんは声をかけます。

「おばあちゃん?ただいま」
・・・・返事はありません。

お嬢さんは今までの流れの通り、Aさんの部屋の障子を引くと
そこには
痩せてあごを尖らせ、細い一本線の目を吊り上げ、まっしろい顔の
まるでお狐様のようなAさんがじっと、、お嬢さんを見据えたそうです。

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