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101 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/18(金) 20:47:38.24 ID:8ApB/c96i
有名な話と似た体験だから二番煎じ三番煎じな感じだけどいいかな
夢か現か今までの人生で最も恐怖した出来事
高校生の頃まで住んでいた我が家はマンションで結構高層階だったため見晴らしがよかった
関東の地方都市からちょっと離れたところでまだ田園風景も残るが駅前はまぁまぁ栄えているそんなところ
夜になると夜景が綺麗で勉強なんかの合間にはベランダに椅子を出しては眺めを楽しみつつ一服していた
夏も真っ盛りなある日、といっても深夜だから若干涼しくて蛙の鳴き声が五月蝿くて気持ちの良い日だった
勉強も一段落したのでお茶とお菓子を持ってベランダでくつろぐことにした
その頃のマイブームは双眼鏡を使って夜の景色を楽しむことで、その日も遠くの居酒屋なんかの灯りを眺めていた
ふと双眼鏡から目を離すと自分が暮らすマンションに目がいった
うちのマンションは緩いL字型になっていて丁度真ん中の我が家は折れ曲がりの中心、端の家のベランダまでよく見通せる
時間は深夜、殆どの家は電気を消しカーテンを閉めていた
そんな中、明かりが点いている家をいくつか覗いてみることにした。我が家から相手の家が見えるように向こうからもこちらが見えてしまう
見つかったら苦情がくるかもしれない。そんなことを考え、部屋の電気を消して慎重に覗くことにした
下の方の階ではテレビを見ながらくつろいでいるおじさんがいたり、上の階では女性の下着が干してあってドキドキしたり
それぞれの平凡な日常を第三者である自分が覗いているんだという背徳感も含めて楽しんでいた
102 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/18(金) 20:50:05.44 ID:8ApB/c96i
続き
ふと中層階のベランダに目をやった時、暗い中で何かが動いているのに気付いた
その部屋は電気も消え静まり返っているようなのに、ベランダには何かがいるのだ
目を凝らしてもよくは見えないが白っぽくて人型だ。こんな形のペットはいないだろう
人形かとも思ったが動いていたから生き物のはず。興味を覚えてじっと見ていたが暗くてやはりよく見えなかった
諦めて部屋に戻るもやはり気になる。もしかしたら虐待されてベランダに締め出された子供かも。そんな考えがよぎった
やはり確かめた方が良いように感じ父親のペンシルライトを片手に再度ベランダに出た。
暗い中でしかも双眼鏡越しだったので先ほどの何かがいたのはどの家だったのか探すのに苦労した
最初から照らしてしまっては他の人に見つかるかもしれなかったのでまずは何となく目星を付けて適当に覗いてみたが見つからない
こんな時間にベランダに出てくる人なんていないだろう。そう思うことにしてライトを点けて双眼鏡を覗く
いた。ガリガリで素っ裸の女が。体中怪我をしているようで傷だらけだ。ベランダの手摺に腕でもたれ掛かるようにして外を見下ろしている
照らされていることに気づいていないのかまったく動かない。自殺するのか?そう思った。見てしまったからには止めるべきか
大声を出そうとした瞬間女がこちらに顔を向けた。物凄い笑顔だった。しかし健全な女性の素敵な笑顔には見えない
口は大きく開きにっこりとしているように見えるのに光の加減か長い髪のせいか目がまったくないかのようだった
反射的に隠れてしまったけれどもう一度見たらいないかもしれない。そう考えて再び双眼鏡を構えライトを点けてみた
いない。やはり気のせいだったかとホッとして部屋に入ると真っ暗なまま寝転がった。疲れてしまってそのまま眠りたかったんだ
が、目を閉じて間もなくベランダでペタペタペタペタっと裸足で走る音がした
次いですぐそこの網戸を凄い速さで開ける音、耳元で「はーいーれーたー」という声を聞き俺は失神した
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ただの覗き魔だろ