Categories: 短くて怖い話

やめたほうがいい

この怖い話は約 2 分で読めます。

数年前。引越しのため不動産屋で物件めぐりをしていた。
すぐに条件にあったマンションが見つかって、私は一目で気に入ってたんだけど
一緒にいた妹が暗い顔して「ここやめたほうがいいよ」と。
でも反対を押し切って、その場で即決してしまった。

引っ越してから、母が煙草の火が髪に燃え移って大ヤケドするわ、アル中になるわ、
私は鬱病に罹って休職するわで最悪。毎晩耳元で大勢がつぶやく声がするし、
気がついたらマンションの最上階のフェンスから下見てたりしてた。

心配した妹が、霊能者の人を頼んでくれて視てもらったら
部屋には原爆で亡くなった人のものすごい強い怨念が棲みついてるそう。何体も。
その話を聞いた時、母が火傷した姿がまさに原爆で負傷した人の姿そのものだった
ことに気がついてぞっとした。
私は鬱病どころじゃなくて、自殺してもおかしくない程憑かれてたらしんだけど
もともとの守りが強かったのと、趣味(オタ)があったので鬱病で済んでるってこと。
慌てて引越しして(不動産屋から部屋についての口止めの電話は来たけど)
母はとても元気になり、一生残るといわれた火傷の跡もない。
元々私は「ケガレチ」とか霊的なものを見たり感じたりするほうなのだが、
その部屋に限っては全くといっていい程感じなかった。
霊能者曰く。「入った瞬間から憑かれてたから分からなかったんだよ」と。

…書いてみたら余り怖くなくてすみません。

bronco

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bronco
Tags: 自殺電話

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