この怖い話は約 2 分で読めます。

母の友人から聞いた話です。

臨月に入った、ある奥さんが電車に乗った時の出来事。
上品な紳士に席を譲られ、お礼を言って座りました。
その紳士が下車する一瞬、紳士の着るスーツの襟に付いた
見覚えのある社章に気付きました。
「主人と同じ会社だ」

帰宅したご主人に事の顛末を話しました。
奥さんから聞いた背格好から推定し調べた結果、
顔見知りの、別の課の課長さんである事が判りました。
課長さんは「ああ、君の奥さんだったのか。こんな事もあるんだねぇ」と言い、
この偶然について驚いていたそうです。

3ヶ月後。
課長さんの自宅に、奥さんの名前で一通のハガキが届きました。
赤ちゃんの写真が印刷され、その横にはこう書き添えられていました。
「その節は、ありがとうございました。この子は、あの時の子供です」

その日、課長さんの家は、大変な修羅場と化したそうです。

bronco

Share
Published by
bronco
Tags: 電車

Recent Posts

ブライダルフェア

いや、たいして怖くないんだけど…

4年 ago

教祖の妻の肖像画

親が昔、へんな宗教にはまってた…

4年 ago

The Body

10年くらい前の話だけど・・・…

4年 ago

謎の曲

出所が分からない所からの楽曲ダ…

4年 ago

エレベーターで見たもの

じゃあ俺が生涯で一番ビビった話…

4年 ago

強烈な遺体

久しぶりに民話でなく現代の話を…

4年 ago