Categories: 後味の悪い話

藤田あつ子

この怖い話は約 3 分で読めます。

474 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/19(土) 11:56:07.06 ID:ClTLP/YKP
藤田あつ子は後味悪いというか救われない話の宝庫

皇如星シリーズは清時代の検事(今でいう警視庁総監?)
が主人公の推理モノなんだが科学捜査出来ないから
状況証拠で捜査するのが特徴。

助手というか弟的存在の祥って男の子がいるんだが、
そいつが如星に会うための旅の途中で、1人の女性に会う。
女性は役人である夫の栄転で都まで家財一式旅していたが、
旅の一行とはぐれてしまったらしく、
ボロボロの身なりで懸命に夫を探していた。
しかし夫人は艱難辛苦を共にした伴侶がやっと出世したことを
嬉しそうに話し、たった一度買って貰った安いお香を大事そうに見せた。

道中を進むと程なく祥は廃屋で休んでいたその夫と出会う。
夫にはぐれた妻の事を話すと、夫は妻をわざとはぐれるように
意図的に置いて来たのだ、と言う。
「出世し都にはそぐわない女だから、捨てるつもりでいたのだ。
ここは以前自分が住んでいた家だが、
自分は、役人になった時も付き合っていた女を振った。
女は泣いてすがり、死んでやるなどと言ったが、
女の涙なんかにほだされるような私では無い。
自分でもその時の自分を褒めてやりたいよ。」
男が自慢気に武勇伝の様に話しているその時、
祥の目には男に恨めしそうに悲しそうに泣く女の幽霊が
とりすがる姿が見えていた。
恐怖で祥はその場で倒れてしまう。

475 : 1/2 : 2012/05/19(土) 11:57:50.65 ID:ClTLP/YKP
藤田あつ子は後味悪いというか救われない話の宝庫

皇如星シリーズは清時代の検事(今でいう警視庁総監?)
が主人公の推理モノなんだが科学捜査出来ないから
状況証拠で捜査するのが特徴。

助手というか弟的存在の祥って男の子がいるんだが、
そいつが如星に会うための旅の途中で、1人の女性に会う。
女性は役人である夫の栄転で都まで家財一式旅していたが、
旅の一行とはぐれてしまったらしく、
ボロボロの身なりで懸命に夫を探していた。
しかし夫人は艱難辛苦を共にした伴侶がやっと出世したことを
嬉しそうに話し、たった一度買って貰った安いお香を大事そうに見せた。

道中を進むと程なく祥は廃屋で休んでいたその夫と出会う。
夫にはぐれた妻の事を話すと、夫は妻をわざとはぐれるように
意図的に置いて来たのだ、と言う。
「出世し都にはそぐわない女だから、捨てるつもりでいたのだ。
ここは以前自分が住んでいた家だが、
自分は、役人になった時も付き合っていた女を振った。
女は泣いてすがり、死んでやるなどと言ったが、
女の涙なんかにほだされるような私では無い。
自分でもその時の自分を褒めてやりたいよ。」
男が自慢気に武勇伝の様に話しているその時、
祥の目には男に恨めしそうに悲しそうに泣く女の幽霊が
とりすがる姿が見えていた。
恐怖で祥はその場で倒れてしまう。

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