何でも怖い

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494 : 本当にあった怖い名無し : 2012/06/07(木) 17:49:01.45 ID:HSLKAHpZ0
上の方にムサカリ絵馬の話を書かれている方がいましたが、それと少し関連した体験があるので
書いてみます。このような掲示板にまとまった文章を書くのは初めてなので、乱筆お許しください。

今からはもうだいぶ前のことになります。
そのころ私は美術の専門学校を卒業したばかりで、さらに金属工芸系を深く学ぶためにその地方の中核都市へ出てきていました。学校の手続きはすぐに済みましたが、アパートを探さなくてはなりません。当時私は片親の家庭で仕送りなどあまり期待できませんでした。

専門学校もアルバイトをしながら卒業したくらいでしたので、あちこちの不動産屋を回り少しでも条件がよく家賃の安い物件を探していました。

そして数軒目の不動産屋でありえないような格安の物件を見つけたのです。
それはアパートではなく一階建ての一部屋で隣に住む大家さんが自分の家の庭に離れとして建てたものでした。そして家賃はちょっと考えられないほど安かったのです。なぜこのような物件がいつまでも残っていたのかというと不動産屋からは「大家さんたちは老夫婦で、だいぶ前に息子さんを亡くされている。

その思い出がやっと薄らいできたので、息子さんが使っていた離れを人に貸そうという気持ちになった。
ただ同じ敷地内にあるようなものなので、できれば女の人に借りてもらいたいと思っている」このような話を
聞かされました。さらに「大家さんたちは借り手と事前に面会して、その人が気に入ったら決めると言っている」
とのことでした。

495 : 本当にあった怖い名無し : 2012/06/07(木) 17:49:49.66 ID:HSLKAHpZ0

その場所は私の学校からは二駅しか離れておらず通学にも便利で、ぜひともここに決めたいと思いました。
そして不動産屋にセッティングをしてもらい、大家さん夫妻との面接に臨んだのです。
不動産屋の車で大家さんの家へ行き、玄関のチャイムを鳴らしました、出てこられたのはご主人が70歳代、奥さんが60代半ばといったところでしょうか、どちらも白髪の上品な人たちです。

「ささ、お上がりなさい」
私たちは和室に案内されました。そこは裏の山側に面した上品な一室でしたが、床の間に他の調度にそぐわない鷹の剥製があり鋭い目を光らせているのが少し異様に感じられました。そうして私は学校のことや将来の夢などをご主人に問われるままに語りました。
奥さんのほうはつねににこにこと微笑んでおられるだけでした。
ただ私が出身地の県のことを話したときに、奥さんは「これは」というような顔をしてご主人と目配せしたのを覚えています。

ご主人は話の最後に「これはよいお嬢さんだ、どうだね○○(奥さんの名前)この方に決めようじゃないか」「ええ、それがよろしゅうございますね」こうして私は夫妻の家の離れに住むことになったのです。

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