Categories: 何でも怖い

愛娘の叫び

この怖い話は約 3 分で読めます。

750 : 1 : 2012/08/08(水) 03:05:33.32 ID:HwYxjIUL0
当時嫁と3歳の娘が居て幸せな家庭だった俺の話
収入こそたいして多くはなかったけど幸せな家庭を築いていた

ただ、8年勤しんだ仕事は賃金が下がり上司や同僚もリストラにあい
個々人の仕事量自体は増え、私は心身ともに疲弊の一途を辿っていた
最近夜遅いのね身体は大丈夫?と嫁に心配され
食事もろくにとれず体重も10kg減りかなり苦しい状態だった
最愛の家族を養う為にも働かなければと日々頑張っていたのだが一度職場に向かう途中で倒れ、気が付くと病院のベッドの上で点滴を受けていた

幸いかどうかはわからないが私が病院に搬送されたことを嫁は知らされていなかった
家族に自分のことで無闇に心配をかけたくなかった

751 : 2 : 2012/08/08(水) 03:06:10.11 ID:HwYxjIUL0

会社に連絡して事情を説明し、その日と翌日に休暇をもらった
医者によると過労と心身症であるといい偏頭痛もおそらく精神的なものに起因し
一日入院する方が良いとのことだったが娘の顔を見たかったので帰宅する旨を伝えた

医者からは少しの間会社を休んだ方が良いのではと提案されたものの
同僚がリストラにあったのを目の当たりにしてからは仕事をしないことは恐怖でしかなく
私の中では早く仕事に戻らなければという気持ちしかなかった

だが、医者からの休息の提案は杞憂であり、後日職場に復帰した際に直属の上司から
リストラの対象として私は失業せざるおえないことを聞かされた
昼までは引継ぎやデスクの整理をしていたように思う

そこからの記憶は曖昧で、電車に揺られ幼少期に家族で行ったある観光名所に来ていた
どうしていいのかわからず頭の中も真っ白で自分がすごく惨めで矮小な存在に思えた

日本海に面したその観光所に着いた頃にはもう土産屋なども閉まっており
暗闇の中で青白い日本海が眼前に雄大な姿を映しており波の音が聞こえていた

私は色々なことにとても疲れていて物事を深く考えれていなかったんだと思う
断崖絶壁から海を見たらなぜか頬を涙がつたっていた

752 : 3 : 2012/08/08(水) 03:06:43.20 ID:HwYxjIUL0

ふと辺りを見るとボーっと光を放っている部分があった
光の主は電話BOXだったのだが、なぜか青く光っており気づけば私はフラフラとそこに向かっていた

自殺の名所としても有名な観光所だけあって、電話BOXの中には
多量の10円玉と何種類ものタバコがむき出しで置いてあった
そういえば娘の妊娠がわかって以来ずっと吸っていなかったなと思いタバコを手にとった
タバコに火をつけ、電話BOXの中で私は再び泣いた

電話BOXの中で座り込んでたら誰もいないはずの外から人の気配を感じ
耳元で「電話鳴ってますよ」という声が聞こえた

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