この怖い話は約 3 分で読めます。

551 夢 sage New! 2008/07/08(火) 10:20:26 ID:JYJwdTt60
私の身体は扉が開いても全く動こうとせず
「○階・・・はぁー・・・」と深い溜息をつきました。
そして扉が閉まりエレベーターはまた上がります。
その内、頬が引き攣れるような感覚がして、私は自分が笑っている事に気付きました。
この私は気が狂っている!
私は本気でそう思い余計恐ろしくなり、そしてすぐに何をしようとしてるのか想像がつきました。
それだけは・・・と言う思いとはうらはらに、とうとう最上階に着き
「○○階・・・」と言うと共に頬の引き攣り感は最高潮に達し、足が勝手に手すりの方向に歩きだします。

そこからは気持ちが完全に混乱してしまって精細には覚えていません。
ただ『嫌だ嫌だやめて起きて助けて』と暴れる気持ちは膜に覆われたように身体に届く事無くただただ
エントランスの屋根が迫ってきた事だけを強烈に覚えています。

身体全体が大きく跳ね上がったような感覚と一瞬高圧電流を流された感覚がしました。

呆然としてたのか、気を失ってたのか、
気がつくとコンクリートの感触がありました。どこに身体をつけているのか分からない。
だけど冷たいコンクリートと身体が密着してる事だけは分かりました。
『生きてる・・・』私は少しだけ安心しました。
だけど
(頭・・・頭・・・)
今度は頭の中に別の、私とは違う声が聞こえてきました。
(頭が割れなかったから・・・)
虚脱感というか・・・変な感情に心が支配され、それと同時にじわじわと胸かお腹か
その辺りがカーッと熱くなってきて脈打つような衝撃のような痛みをまるで神経の膜越しに感じるような
理解はしてるけど鋭利な痛みは感じない感覚を通して感じました。
「ぁあ・・・あああぁああ」
心の中なのか口から発せられているのか、そんな声が響いてました。
ぼやけた目にはマンションのどこかの部屋の窓が見え、
(誰か気付いて、電気ついて・・・)
「あ~あ~」と呻く声に重なってそんな声が聞こえましたが、自分の声かもう1人の声かは分かりません。

552 夢・終わり sage New! 2008/07/08(火) 10:21:49 ID:JYJwdTt60
どれくらいその声を聞いていたのか、声は少しずつ弱くなり
両手足の先から潮が引くように寒さが押し寄せてくる感覚がしたと思った途端
いきなり今度は膜越しではなく、肩先に若干の、でも確かな痛みと
引っ張られるようなものを感じて体が跳ね上がりました。

私はいつものベッドの上に居て、愛犬が息を荒くして脇に座っていました。
パジャマの肩に穴が開いていて肩が少しヒリヒリしてたので、パジャマを咥えて引っ張って起こしてくれたのだと気付き
私は泣いて愛犬に抱きつきました。
全身に水をかぶったような汗をかいていて、もう恐怖で眠れそうになかったので
愛犬にそばについてもらってシャワーを浴びようと、浴室に向かおうとした時
救急車と消防車が近付いて来る音がしました。やっと外が明るみだしたばかりの明け方。
音はマンションの真下で止まり、まさかと言う気持ちと、確信が入り乱れ、足が震えてどうしようもありませんでした。
結局怖くてシャワーを浴びれず、よろめくように寝室に戻ると部屋の窓が開いていました。
いつ開いたのかは分かりません。
だけど昨夜は熱くて雨が降っていて・・・窓は閉じてクーラーを入れて眠ったのをおぼえています。

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