この怖い話は約 3 分で読めます。

340 サルベージマン ◆Nwws3JYmzE sage 2008/06/11(水) 11:39:02 ID:PUKp9CVc0
30 名前:本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2008/06/10(火) 03:28:50 ID:8E5+HUIn0
長くなりますが、ごめんなさい。

9年前。
大学生2年生の夏前だった。
仲のいい友人達がいて、山に行ったり海にいったり。
いつも遊ぶ仲間は自分を含めて5人いた。
地元で海水浴場になっている浜辺の脇に、神社があった。
幽霊が出るとかで有名だった。

「肝試しするか」
「いいねー、そういうのやったことないし」
「軽い気持ちでそんなんやってるやつは、だいたい痛い目にあう」
「お前は存在がイタイからだいじょうぶ」
とか口々にいいながらワイワイその神社にやってきた。
15分もすると飽きた。
ただ不気味なだけの神社。
「夜だからな」
不気味なのは当たり前、そうカネダが冷めたように言った。
鳥居が古めかしくて崩れ落ちそうな事以外は、さして気にかかることもない。
昼に来たら、きっと静かで清廉な空気の場所に違いない。
「あれ、なんやろね」
だれかが暗闇を指さして言った。
神社の背後は林になっていて、その向こうに大きな黒い影が見えた。

341 サルベージマン ◆Nwws3JYmzE sage 2008/06/11(水) 11:39:24 ID:PUKp9CVc0
31 名前:本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2008/06/10(火) 03:29:45 ID:8E5+HUIn0
「変電所?」
月はでていなかったので判然としなかったが、四角い建物だった。
「ばっか、ラブホよ。知らんとか?」
「明かりついとらんよ」
「だいぶ前に潰れたわな」
「へぇ、あそこまで車でいける道があるん?」
「お前は童貞やから知らんやろうけど、ある」
「お前らも元童貞やろがっ」
言いながら俺達は車を止めた場所に戻った。
「ナカシマ、どした?」
みんなが乗車しても一人で外に突っ立っているそいつに、声をかけた。
「お前ら、あそこ行く気やろ?」
「ああ、いくけど、、、なんで?」
運転席のヤマグチがエンジンをかけながら答えた。
みんなその気だった。
このまま帰ってもつまらない。
ヤマグチが車のライトをつけた。
車の斜め前に立っていたナカシマの顔をライトが照らした。
俺は飲みかけたペットのお茶をふきだすほどギョッとしてしまった。
「ナカシマ、顔真っ青! つか、怖っ!!」
イイダが俺の気持ちを代弁するかのように言った。
「俺、無理。無理無理。行かんよ」
オロオロとした声でナカシマは言った。
「どしたん?」
「ビビりすぎ。別に変な噂ないやろ、あそこ。ただの散策だって」
「行きたくない。いや、行くんやったら帰るわ俺」
声は震えていたけれど、頑としてナカシマは譲らない。
いつもは結構ノリのいい奴なのだが。
場は妙な雰囲気になった。

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