Categories: 後味の悪い話

エスパー魔美

この怖い話は約 3 分で読めます。

エスパー魔美の「サマードッグ」は、
漫画もアニメも、短編の1エピソードながら結構シリアスだった。

超能力に目覚めた少女マミと、アドバイザー役の秀才・高畑くんのコンビは
画家である魔美の父とともに夏休みに山の別荘地にやって来る。

しばらく2人で散策などしていたが、森で野犬の群れに襲われ負傷した人を発見する。
「いわゆるサマードッグだな」と、高畑さんが魔美に説明した。

マンション暮らしなどでペットを育てられない都会の家族が、夏の別荘地でだけ一時的に飼い
帰宅する際に山へ捨てて行くものを指す。捨てられた犬たちは生きるために群れを成して家畜等を襲う。
その話を聞いていた隣の別荘の男の子は、自分が探していた「チビ」も野犬化しているのを知って
ショックを受け、一人で山の中へ探しに向かう。

「おたくの娘さん達のせいですよ! 余計な事を吹き込むから…」
息子が行方不明になった母親は、魔美たちの別荘に押しかけてきた。
「おととし、息子の情操教育のために子犬を与えていたんです。仕方ありませんでしょ、
マンションに連れては帰れないんだから。犬が欲しいならまた新しいのを買えばいいのに…」
と取り乱して泣く母親を魔美の父がなだめて車で交番に送り届けに行き、
その間、魔美と高畑さんは超能力で密かに少年を探しに山へ入る。

193 : 本当にあった怖い名無し : 2009/08/22(土) 07:39:43 ID:9nWXI3do0
助けを求める念波をキャッチしてそちらへ向かうと、
野犬に襲われて負傷した別の男性がいた。
部分テレポートで自分の血を輸血してふらふらになる魔美だが、
その時3人は再び野犬に取り囲まれ、ピンチに陥る。
魔美は体力を消耗していてテレポーテーションできなかった。
高畑さんが棒きれを振り回して応戦していると、
「チビ!」と叫んで向こうから少年がやって来た。
チビは既に立派な成犬になり、群れのリーダーになっていた。
「危ない、来ちゃダメ!」と魔美たちは止めるが、
チビは少年を覚えていて、群れの攻撃は鎮静化した。

少年はチビと抱き合って再会を喜んだ。
しかし、ひとしきりするとチビは群れを率いて森の中へ去ろうとする。
「どこに行くの、いやだよチビ!」 少年は追おうとするが、
「チビはもう昔のチビじゃないんだ。今の仲間を捨てることはできないんだよ」
と高畑さんが押しとどめる。少年は泣きじゃくりながらも、チビの幸せを願う。
ちょうどその時、通報を受けた救助隊が到着して魔美たちは介抱された。

後日、高畑さんは、その後 地元の猟友会が山狩りを決行し
凶暴化した野犬の全滅作戦に成功したという新聞記事を読んだ。
「あれ? 今日の新聞は?」と問う魔美の父に、焚き火をしながら
「僕が燃やしました、すみません」と答える高畑さん。
事件時の貧血が尾を引いてベッドで養生している魔美は、記事を知らず
「ねえ、高畑さん。あの犬たちだって、また人間が引き取ってやさしくすれば
人を襲うようなことも無くなると思うの…」と語りかけてくる。
高畑さんも事実を知らせず、「そうだね、ゆっくり休みなよ」と相槌を打った。

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bronco

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  • ゴルゴ13の「黄金の犬」と同じくらい好きな話。エスパー魔美はアスファルトのせいで生き埋めになった虫のSOSを聞く話とかもあったなぁ。「雪のふる街」とかエスカルゴとかこのアニメで初めて覚えた。今なら深夜枠になりそうだが、再放送しないかな。後楽園球場の人工芝の数を聞かれて暗算で即答した高畑さんが印象深い。
    魔美自身は、芸術だから裸の絵を見られても恥ずかしくないって言い、男性ヌードの絵なら買ってもいいという女社長に「芸術をなんだと思ってる!」って怒ってた。サザエさんで「芸術か猥褻か?」ってテーマの4コマもあったなぁ。

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bronco

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