後味の悪い話
郁子の奇行

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清水玲子の「秘密」っていう漫画

舞台は、MRI捜査という捜査方法が確立している近未来の警察。
MRIとは死んだ人間の脳を利用して、死者の見ていた映像を再現することができる装置のこと

ある日、郁子という中年女性が同僚の正と佳代子を殺害する事件が発生した
郁子は不細工な小太りなのに外見に似合わないロリータ服を常に着ているうえ、
虚言癖があり嘘ばかり吐いていたため、周囲からは馬鹿にされたり笑われたりしていた
しかし正だけは郁子に親切にしており、そのせいで正の恋人・佳代子からは更に嫌われていたという
主人公はこの事件の捜査をすることになるが、
「どうせ色ボケしたババアが若い男に入れあげただけだろ」と軽く考えていた

だが、MRIで郁子の脳に残っていた映像を見た主人公は驚く。
郁子は痴呆症で寝たきりの父親と二人暮らし。兄弟や恋人など、介護を手伝ってくれる相手もいない
そんな介護漬けの生活の中で疲れきった彼女は、次第に幻覚を見るようになっていたのだ
(実際に見たものでなく、脳に焼き付いた記憶を見る装置のため幻覚なども再現される)
その幻覚のなかで、郁子はまるでモデルのようなスタイルの美人になっていた
更に、映画のポスターに映っている子役を自分の子供だと思いこんだり、
自分を馬鹿にする言葉が称賛する言葉に変換されて聞こえたりもしていた
ロリータ服を着ていたのも、「妄想の中の自分」にはすごく似合っていたからだった
郁子は、妄想のなかだけとはいえ幸せな生活を送っていた
皮肉にもその幻覚により、彼女は辛い現実を忘れ精神的に安定して過ごすことが出来ていたのだ

そんな郁子の安定を奪ったのが、被害者の正だった
正は郁子の境遇に同情し、父親の介護を手伝ったりしていた
その際、郁子が「子供がいる」「夫は海外出張中」などと言っているのが幻覚のせいであるのに気付き、
彼女を『治してやる』ために、幻覚症状を抑える薬を渡したのだ
薬を飲んだ郁子は妄想から解放され、現実に気付いてしまう
夫も恋人もいないこと・自分は美しくも若くもないこと・
父の介護をこれからも続けなければいけないこと…
正は郁子の手をとり、「妄想に逃げちゃダメ」「現実を見ないと」と諭す
しかし全てを理解した彼女は「こんな現実ならいらない」と嘆き、発狂して凶行に及んだ

181 : 本当にあった怖い名無し : 2012/03/14(水) 17:53:46.25 ID:31c1vTgm0
郁子の実際の外見が本当に幸薄そうな小太りのおばさんで、精神的に来るものがある
正は正義感から治療してやろうと思ったんだろうけど、
そのせいで郁子はおかしくなって、自分も恋人も巻き添えで殺されるとかひどすぎ

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