この怖い話は約 3 分で読めます。
教育実習にきた先生から聞いた洒落になってない話。
先生がまだ高校生の頃に体験した話だそうです。
先生は友達四人と、バイクで先生の住む県にある、マイナーな心霊スポットに肝試しにいったそうです。
その心霊スポットは、県境の山間にあるといわれている廃屋で、その廃屋には無数の霊魂が集まっている、そういう性質をもった場所なんだ、と噂されていたようです。
ただ、誰もその廃屋の正しい場所を知らない、というのが、その心霊スポットにまつわる怪談の落ちにも使われていたようです。
先生たちは廃屋を探すため、廃屋があると噂される場所の近くまでバイクで行き、適当なところにバイクを停めて、ガードレールを乗り越え、山の中へ向かったそうです。
先生の前には、友達四人が歩いています。先生はその後ろをついていく形で歩いていたそうです。
どうしてか、というと、先生はその時、急遽来れなくなった友達に実況メールをしていたそうです。
先生ははぐれないように時折、視線を上げて前を歩く友達四人の姿を見失わないようにしていました。
辺りは真っ暗で、先頭を歩く友達の持った懐中電灯の明かりだけが頼りでした。
しばらくは何事もなく、ただ時折、静かな山の中に遠くから車のクラクションが聞こえるくらいで、何も怖いことは起きなかったそうです。
30分ほど山の中を、散策していると、ぽつんと、妙に開けた場所に出たそうです。
そこは、まるで以前何かがあったような、明らかに人の手が入った形跡のある場所でした。
先生たちは興奮して、ここが噂の廃屋があった場所ではないかと、盛り上がりました。
先生は急いで、メールしたそうです。
「廃屋跡らしき場所発見! さっきから何か背筋がゾクゾクする!!」
701 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/03/16(金) 00:59:49.36 ID:TPyLNfC40
このような内容のメールを送信した時でした。
先生は視界に端に、何か白いふんわりしたものを捉えました。
おや? と思ってそちらを見ても、何も変わったものはありません。
携帯に視線を戻します。メール相手の友達も興奮していて、返信がすぐに返ってきます。
すると、再び視界の端に、ちらり、と同じように白いふんわりしたものが見えます。
先生は顔を上げて周囲を見渡しました。けれど、何もいません。前の方ではしゃぐ友達たちの姿があるだけです。
おかしいな、と思いながら、先生はメールを続けるために、視線を携帯に落としました。
すると、やはり視界に端に、白いふんわりしたものが映るのです。
そこで、先生は視線を落としたまま、その白いふんわりしたものを視界に捉えたまま、なるべく、それを意識しないように、ぼんやりと、それが何であるか、考えたそうです。
不思議なことに、ちょっとでもその白いふんわりしたものへと意識を向けると、それはたちどころに消えてしまいました。
そんなことを繰り返しているうちに、先生は気づいたそうです。
それは白いスカートをはいた女性の下半身でした。
先生は首筋から寒気が走ったそうです。先生は思わず視線を上げました。何もいません。
だんだん怖くなってきた先生は、前にいる友達四人に、そろそろ帰ろう、嫌な気がする、と伝えました。
最初、冗談めかしていた友達たちも、先生の青ざめた表情を見て、ただ事ではないと感じたらしく、先生を囲むようにして、バイクを停めた場所へ、急いで戻ったそうです。