この怖い話は約 3 分で読めます。

数年前の話。

『お化けトンネル』ってのが近くにある。
夜中に友達三人と遊んでいる時に、そこへ今から行こうという話になった。
俺は数日前に行ったばかりだったので気乗りしなかったが、AとBが盛り上がってるので、仕方無し行く事に。

やがてT字路に差し掛かり、左へ行けば目的のお化けトンネル。
しかし、若干霊感のある俺(一時期、かなりあったが、何故か衰えた)は、このT字路を右に行ってすぐの所にある廃墟(おそらく何かの会社だった)の方が“いる”事に、数日前に行った時に気付いてた。
この時、何か変な予感がした。何となくこの後起こる事が予想出来た。
Aが運転してたんだけど、ホント何となく、『帰りは俺が運転しよう』って思った。特にAは一番ビビリだったから。

お化けトンネルに付いたが、結局真っ暗なだけで何事も無く、タバコ1本吸って、さぁ帰るかって事になった。

俺は運転席に乗ろうとするAに『いいよ。帰りは俺が運転するよ。』と言った。
Aは『えっ?何で?まだ眠くねーし大丈夫だよ?』と言ったが、俺は『いいよいいよ、何か悪いから』と言って、半ば無理矢理運転を変わった。

少し車を走らせたら、車を追い掛けてくる火の玉(というか、電池切れかけの懐中電灯みたいな弱い光)がルームミラーに映った。
助手席のBは気付かなかったが、後部座席に乗っていたビビリのAは即座に気付き、大騒ぎした。

A『は、早く!もっと飛ばせ!』

俺はAが何故そんな事を言うのか知っていたので、黙って加速した。
Aが『うしろ!うしろ!』とか言うからBも気付いて飛ばせと騒ぐ。
例のT字路が近くなった時、ブレーキをかけ減速する。ビビリのAは後部座席から俺の髪を鷲掴みにして

『お前マジ何やっ◎××△%※※!!!』

と半狂乱。

その瞬間、車の後ろを着いてきてた光が、リアのガラスを擦り抜けて、スーッの車の中を通って、フロントガラスを擦り抜け、車の前に出て、消えた。

Bは、生首だった、とか言ってたが、俺はよく見てなかったので知らん。

そのままT字路に差し掛かり、右に曲がって、来た道を帰った。
例の光(Bが言うには生首)が消えた少し先には廃墟があって、そこから信じられない数の霊が、こっちを見てるのが見えた(と、言ってもそこまで霊感無いので、居るのは分かるけどこっちを見てるのかどうかまでは分からないが、そう感じた)。

数日前に来た時は昼間だったので、そのT字路を真っすぐ行くと、廃墟の目の前(実際には斜め前あたりかな?)に、結構深めに開いてる穴があるのを知ってたんだよね。多分下水管工事か何かの。田舎道だから、封鎖とかしないで、看板立てただけで放ったらかしになってたんだよ。
落ちても死にはしなかっただろうけど、車はオシャカだっただろうな、って感じの深さ。

Aがあのまま運転してたら。。と思うと怖かったなぁ。

bronco

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bronco

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