子どものころの怖い話
憑き護(後編)

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なぜ死んだ日を明確に覚えているかというと、その次の日(7/23)に水泳の授業があって、Bさん、Cさん、俺と、A先生の足を見た友人が揃いも揃って、プールからあがるとあのA先生についてた歯型がついていた。
足を引っ張られたとか、溝が出てきたとかはなかった。
みんな気味悪がって俺らを避けてくれた。
余談だが、そのせいでその日楽しみにしてた給食のチーズハンバーグが俺と友人だけなかったのは忘れんぞ!

俺ら自身も気味悪くて、皆で相談して担任に相談しにいった。
担任は俺らの話を聞くなり、すぐに車を出してどっかの寺に連れてかれた。

「どこ行くの?」

とか聞いても

「後で話す」

の一点張りだった。
寺に着くと、急いで本堂のような場所に連れてかれた。
一休さんに出てくるような住職みたいな人に

「こいつらかぁ!こいつらかぁ!」

と言われて、TVでよく見る渇を入れる棒みたいなので、俺と友達が肩を叩かれた。
俺はワケもわからずとりあえず怯えてた。
BさんとCさんの方は住職が一瞥して

「魅入られたか・・・」

とボソリと呟いた。

その後、俺と友人、BさんCさん、と分けられ別々にお経を唱えられた。
お経の種類が違ったのかもしれない。
お経が終わったあと住職の爺さんに

「人の噂は人の恨みになる。好奇心で近付くな。喋るな」

と教えられた。
妙に心に染みた。
Bさんは残って俺と友人とCさんだけが担任の車に乗って学校に戻された。
そのあと職員室の奥にある応接室の方に連れてかれて担任から事情を聞いた。(小五の頃だから詳しいことは聞けなかったけど)

「ここからは先生の独り言だから、ただの戯言だ。でも口外はするな」

という前置きだった。
子供の俺でもちょっとした緊迫感が伝わってちょっと怖かった。

『憑き護』って知ってる人いるかな?
読み方はツキゴ。
担任曰く、A先生はその憑き護だったらしい。
憑き護っていうのは簡単に言うと生きた守護霊みたいなものらしい。
普通に生きてて、人を護ったりするけど、かと言って霊でもないらしい。
土地守とかに近い存在らしくて、要するに不幸を被る避雷針みたいな人なんだそうだ。
どこかの家計にそういうのが強く現れるのがあるらしく、鬼門、霊道、etc
とにかく霊的なモノで、普通の人には手がつけられないような場所にそれとなく住ませるそうだ。
京都の方や奈良とかに憑き護は多く住まされてるとも聞いた。

担任の話に戻る。
理由は不明だが、プールでの怪異は大昔からあって、足を捕まれたりとかは本当にあるらしい。
それで溺れて大変な事件になったとかも結構頻繁にあったらしい。
困った学校側がA先生が憑き護だったのを調べて学校に採用したそうだ。
そして問題の日、A先生はたぶん憑き護として俺たち生徒の避雷針代わりに『プールの何か』に捕まれたみたいだ。
その後は、実際には病院に搬送されたのではなく、俺たちにお経を唱えてくれた住職のとこに行ったそうだ。
その『プールの何か』がよっぽど強かったのか、A先生が耐え切れなかったのかはわからないがとにかくA先生はソレに負けたらしい。
学校としては憑き護によって怪異から解放されると思ったようだが、逆に憑き護がダメになってしまったとのことだ。
はっきり覚えてないが話を聞いた時、俺と友達、Cさんは泣いたと思う。
A先生の足についた歯型を見た後の学校で起きた悪戯は多分、憑き護のA先生が護りきれなくなり、今までおとなしくしてた何かが暴れたせいだと子供ながらに解釈していた。
今でもそう思う。
最初のうちは

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