洒落怖
軍隊手帳

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222 本当にあった怖い名無し sage 2007/11/26(月) 20:37:39 ID:bGGHbNbh0
自分は本が好きで古本屋巡りをよくする。絶版の本を探したりもするが、
基本、貧乏人なので安く買って、読み終わったら売るパターンが多い。
掘り出し物は一期一会なので、古本市にもよく行く。
これは地下街の催し物コーナーに来た古本市でのこと。

仕事帰りに、切らしてるものを買いに地下街に下りた。
ちょっとした広場になっている催し物コーナーに古本市が来ていた。
複数の個人経営の古書店の共催らしく、売り場は本棚が迷路のように入り組み、
年代物の古書…と言うより骨董見たいな感じの本が多かった。

全集のばら売りを数冊買って面白そうな本を探してぶらぶらしていたら、
戦時中コーナーみたいな所に入り込んだ。
軍隊の教練書、軍隊手帳、士官用の部下の指導書などの茶色く変色した本や、
写真集、当時の戦意高揚記事の載った雑誌などが積んであった。

ミリヲタではないんだが、ちょっと興味が涌いたので軍隊手帳を手に取ってみた。
ぱらぱらめくると軍規が書いてあったりして「ふーん」と思っていたら、
いきなり誰かに怒鳴られたような気がした。
立ち読み禁止で、店番の人に怒られたのかと思ったが、
周囲には自分の他は数人の年配客しか居なかった。

気のせいかと思って手帳に目を戻し、元の持ち主の安否が気になるなぁとか思っていると、
「女子供が見るもんじゃない!」と、さらに怒鳴られた…気がした。
自分は霊感とかないんだが、これはもしかして英霊の方ですか?と思い、
「女子供がこんなん読んですんません」と心の中で謝って売り場を出た。

軍隊は男の世界だから排除されたのか、
軍隊みたいな辛い事は女子供が見なくていい…見せたくないから怒られたのか。
霊感のない自分にも「聞こえる」ような渾身の叫びで一喝されたのかと思うと、
真意はわからなかったが、イタズラを見つかったような気まずさと悲しみを感じた。

立ち読みして怒られたのは、それが初体験だったりもする。

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