病院の怖い話

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339 本当にあった怖い名無し 2007/09/14(金) 22:27:11 ID:x5zEFpkCO
俺の職場には、いわゆる『見える人』がいる。
仮にケイさんとしておくが、この人は本当にヤバい人だ。見た目はちょっと派手なだけで、ほかは割合普通の男の人なんだけど。
やっぱり違う。
まあ、俺もいわゆる『感じる人』で、はっきり見えたりはしないが、しばしば嫌な気配を感じたりすることはあった。でも
ケイさんはケタが違う気がする。
ちなみに職場ってのは病院、しかも老人や重病者が集まる、つまりは末期医療専門の病院だ。ケイさんは看護師さん、俺は介護職員をしている。

そんな職場だから、人の死を目の当たりにすることは多々ある、いやむしろ毎日だ。
でも、幽霊ってのは、そうそう簡単には現れない。いくらバタバタ人が死んでも、みんな幽霊になるってわけじゃないだろうし。幽霊だのお化けだの、見えないのが普通だ。
だけど、ケイさんは違う。

「石田さん。」
ケイさんは、突然なにもない廊下の隅に話掛けたりする。
「ここにいてもダメです。ほら、お部屋に戻ってください。」
まるで誰かがそこにいるように、話掛ける。誰もいないのに。
俺も最初は、アル中か何かで幻覚見てんだろ、アブねーやつ。
とか思ってたけど、その考えは間違っていたことに気付いたのが、ちょうど半年前のこと。

340 本当にあった怖い名無し 2007/09/14(金) 22:28:28 ID:x5zEFpkCO
その日、ケイさんと俺は夜勤で、早寝のケイさんはあと10分で仮眠、俺は巡回に行くはずだった。
なのに、
「…おい。」
カルテを書いてると、すっげぇ不機嫌な声で、ケイさんが声掛けて来た。ただでさえ目付き悪いのに、睨まれると目茶苦茶ビビる。
「な、なんですか」
俺は、怯えながら返事をした。
ケイさんは苛々した様子で、俺の肩に何かを投げ付けてきた。
「余計なモン連れてきてンじゃねーよ。」
明らかに怒ってるケイさんが投げてきたのは、鏡だった。
そういえば、ケイさんの怒気にあてられてあまり気にしてなかったが、さっきから異様な寒気がしている。
それに気付いて、恐る恐る鏡を覗く。
すると。
「あ、あ、あああああ」
腕、っつーか、指?が俺の肩に乗ってた。ちょっと考えられない折れ曲がり方した指。中指と一差し指が三つ折りになってる。明らかに、生きてる人の指ではない。
しかも俺は、その指に見覚えがあった。
「さ、坂上さんだ…」
その指の先にある小さなホクロ、一薬指につけられた安物のリング。
それは間違いなく、坂上さん…数時間前に肺炎で亡くなったじいさんの指だった。違うのは、その指の曲がり方だけ。
ベキベキ音をたてながら、今度はリングがされた薬指が三つ折りになる。
「ケイさん!!助けてください!!」
俺はケイさんに助けを求めた。なのにケイさんは、
「俺、坂上のじーさん嫌いなんだよな。」
ションベンくせーし、ワガママだし。と、看護師としてあるまじき暴言をはいて、煙草に火ぃつけやがった。
「ケイさん…」
半泣きになってすがる。
でも、このドSな先輩は謗らぬ顔で。恥ずかしながらこの歳になって俺は泣きべそをかきまくっていた。

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