Categories: 洒落怖

苦焼女

この怖い話は約 4 分で読めます。

K「無かった……連れて来られた」

368 Bird sage New! 2007/06/14(木) 19:33:15 ID:80hEFTW60
「苦焼女~対伝~」4/7
緊張が走りました。
自分の場所は霊的な場所を寄せ付けないようにしていますので、汗がたらたら垂れました。
B「連れて来られた?」
K「……連れて来られた」
B「○○○(関係)か?」
K「違う……」
B「何だ?」
K「……待ってる」
どういう意味の「待ってる」かは解らずじまい、それ以上の対伝は無理と判断して止めようとしました。
誰に連れて来られたのでしょう。もう独り、近くに存在するのでしょうか。それとも、彼女がそう思っているだけで、単に「送られてきた」だけなのでしょうか。

369 Bird sage New! 2007/06/14(木) 19:34:18 ID:80hEFTW60
「苦焼女~対伝~」5/7
話が展開せず、思わぬ脱線でした。Kが誰かに連れて来られたのが自分の家。
あまり、重要に思えなかったので(深く考えて余計にKを留まらせてはいけないと思いまして)、Kに供物を与えました。
B「次来るまで、それじゃ足りない。貴方は面倒を見てもらっている人がいるんだね?」
K「……いる」
B「誰だ!」
K「弱い……喋れない……」
(全く同業者に面識が無いので唖然)
B「貴方を喋れるようにした人が代わりに喋れなくなったのか?」
K「もともと……見えるだけ……」
(つまり、彼女の存在は認識出来るがコミュニケーションが取れなかったという意味だと最初は思いました)
B「今は喋れるじゃないか」
K「……喋れない……ここで喋る……」
B「それは助けてあげられない。無理」
K「……喋る……喋る」
B「最初に手を出した人しか手を出せない」
K「嫌だ」
B「もう、来るんじゃない」
K「来る……」
B「どうして、こだわる?助けてあげられない」
嫌がらせなのか、何故(今の所)非のない女性を振り回しているような気がして、とても嫌になりました。
あっちへ行ったり、こっちへ行ったり、彼女はまだ重要な部分を打ち明けていません。このまま、彼女の存在自体が力の消耗によって消えてしまうのではと思いました。
しかし、彼女の(おそらく)全身に及ぶ火傷や喉などの治癒を行ったとしてもそれは彼女の器である亡骸を元の姿に戻したことにはなりません。
霊自体の見栄えを良くして、使役として傍に置くつもりなのでしょうか。
そうすれば、K曰く「弱い」という枠から確実に抜け出せるはずなのです。
そうであれば、いずれ向こう側から接触してくるでしょう。
敵、味方でも、どっちでも構いませんが本当に自分は知らないのに、相手は自分の事を知っている、というのは気味が悪いものです。

370 Bird sage New! 2007/06/14(木) 19:35:12 ID:80hEFTW60
「苦焼女~対伝~」6/7
彼女が消える時、自分にヒントを教えてくれました。
B「今、どこにいるかわかるか?」
K「気がつくと、ここ……」のような事を言いました。
(はっきりとわからないのであれば、本当に飛ばされてきたのかもしれません)
B「お世話になっている場所はどこだ?」
K「……」
B「ここと似ているか?」
K「違う……暗い……」
(わりと、はっきり否定をしてくれました)
B「もう、来るなよ。今度は門前払いだよ」
K「……来る……」
B「家族や親しかった人達の所へ行けば、良い。どうにもならなくなったら、おいで」
彼女は消えてしまいました。
暴力的でもなく、淡々とする部分もありました。
プロ霊能者との接触なしに、これまでの間に霊感が強くなってしまい、危なっかしく、まとまりがない人間ですみません。

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