この怖い話は約 4 分で読めます。
書き込みます、長いです。
もう何年前かは覚えてないけど、廃ホテルに友達と行くって話しに
なって、俺、いつものように事前に仕掛けをしに行くことにした。
そこはだいぶ前に廃業に追い込まれた結構規模のでかい3セク総合レジャー
施設兼ホテル。プールがあってそこで昔小さな女の子が溺死、という
ありがちな場所。人気のない山奥で谷間にありつぶれるのは当然だろうと思った。
まあ霊なんか信じてなかったから夜にいったんだけど、いつも使ってる
ヘッドライトが点かなくなって仕方なくキーホルダーについてる
赤いLEDのライトだけを頼りに中に入った。
まず、例のプールに行ったわけだがそこで運良く小さな女の子用の水着が落ちていた。
おそらく、誰かが噂を知ってて悪戯で仕掛けたものだろう、とそのときは思った。
俺はそれに客室の枕か何かを詰めて人っぽくして立たせる、というのを思いついて
枕を調達しようと客室に向かった。
378 名前: 本当にあった怖い名無し 2006/08/04(金) 00:12:57 ID:qNcMcPPI0
何階か上がったところで客室のある所に来た。
そのときくらいから風の音の混ざって女の声が聞こえていたんだけど、
そういう声は沢沿いで風のある山の中ではよく聞こえるもので
自分の心理状態によってはいろんな音にも聞こえたりするのは
山や沢によく行く俺の実体験として知っていた。
だからそんなに気にしてなかったんだけど、その時の声、俺が客室の中に入った
くらいからどう考えても風の音に混ざらずに、建物の中から聞こえることに気づいた。
声からして、おそらく下の階にいるのだろうか。もし誰か来たらまずいと思って
非常階段から逃げようと思ったときに階段を誰かが上がってくる音がして
おそらくライターの火かなんかの明かりが見えたので、俺は元の客室の戻って
じっと息を殺していた。
こんなとこ一人できているのがわかったら絶対通報されると思った。
声の主は2人くらいかで、ボソボソ言っていて何話してるのかは全くわからない。
はっきりと姿を見ていないからひょっとすると霊、、、なんてことが
頭の中にふと浮かんで、かなりガクブルだった。
しかも、声の主はすべての部屋を見て回っているようだ。
やばい、と思った。正体が何であれ、というか霊なら生きて帰れないかもしれない。
379 名前: 378 2006/08/04(金) 00:13:46 ID:qNcMcPPI0
声が明らかに俺のいる部屋に近づいてきて、向かいの部屋に入る足音が聞こえ
さらに俺のいる部屋の窓に反射して2人の人影が向かいの人影が見えた。
反射して見えた人影は火の明かりのせいか揺れていて、とても人間のそれには見えない。
俺はそいつらが向かいの部屋にいる間にそっと抜け出そうとした。そのとき
足音達に気づかれてしまったようで、咄嗟に向かいの部屋のドアを閉めた。
その部屋からは「うやぁ~、、、」という声がしてドアにしがみつこうとする音が聞こえて
俺は必死にドアノブを押さえつけて開かないようにした。
ドアノブがグイグイ内側から回される感触が伝わって、恐怖しながら
もってきていた仕掛け用のビニール紐を結ばずドアノブにグルグル何重にも巻きつけ
それの片方を向かいの俺がひそんでいた部屋のドアノブにまた巻きつけて
ドアが開かないようにして結ぶと、一気に階段に向かってダッシュした。
階段室に入るとき振り向くと、張った紐はほどかれかけており、叫び声が聞こえ、
腕がドアの隙間からヌッと出ているような気がした。
階段を3段飛ばしで駆け下りてその廃ホテルを出るとダッシュで車に向かった。
そのまま猛スピードで帰り、友達の家に行った。