Categories: 洒落怖

古着屋

この怖い話は約 2 分で読めます。

何年か前。
古着屋さんでコートを試着した。
袖を通して着てみると、意外に似合うような気がした。
「りょうじのコート着ないでよ!」
突然ヒステリックな女の声が聞こえた。
俺の目の前のすがた身鏡に、俺の腰ぐらいから女がしがみついてた。
うわっ! と思って、試着室から転げ出ると、店員さんが驚いて俺のほうを見た。
恥ずかしいとか、そんな事はそのとき思いもしなかった。
女がいたほうにびっくりしたから。
でも、コートにしがみつく女はいなかった。
恐る恐る試着室のカーテンの中をのぞいてもいなかった。
俺はコートをあわてて元のあったところに並べ直して、すぐその店を出た。
しばらく怖かったけど、あの時以外あの女は現れてない。

で、俺は中古品が怖くなって、古本さえも買えなくなってしまった。

あんなり怖くなかったらゴメ

bronco

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