Categories: 洒落怖

深夜残業

この怖い話は約 3 分で読めます。

これは昨年末に自分自身が体験した話。
心霊現象かどうかも分からないし、疲れてただけかもしれないけど、個人的には洒落にならないくらい怖かったのでここに投下する。

その日は2013年の最終出勤日。
帰省の為有給を使っている者、早く上がる者が大半の中、一応チームのリーダーを任されている俺は、
年を跨げない対応に追われてひとり日付を越え、終電時間を過ぎても会社に残っていたんだ。

先に状況の補足をしておくと、俺が働いているのは8階建てのビルの6階。
トイレ、給湯室、喫煙所を除けば階丸々ぶち抜きのワンフロア構成で、社員は200人以上いるからそれなりの広さを想像して欲しい。
帰宅する者は周囲に人がいないことを確認したら、その周辺を照らす電気を消してから帰るので、俺の周り以外は真っ暗だったが、
気兼ねなく仕事できるわーとか軽く考えて、音楽をかけながら仕事をしていた。
250 本当にあった怖い名無し sage 2014/01/13(月) 22:56:50.67 ID:0qeR7L7l0
少し時間が流れて午前2時くらい。
汚い話で申し訳ないけど、大きい方をしたくなった俺はトイレに向かった。
トイレに着いて電気を点けたら、何かおかしいんだ。
違和感の正体はすぐに分かった。
2つある大の個室がどちらも閉まっている。

これって、状態だけ見ればそんなに不思議でもないんだ。
他の会社がどうかは分からないけど、ウチの会社は節電の為に、たとえ昼間でも誰もいなかったら電気を消す事になってる。
これが少し厄介で、個室を使っている人がいても、うっかりなのか癖なのか電気を消して出ていく奴がいるんだな。
自分もやられた経験があるから分かるんだけど、出るに出れないから他の誰かが入ってきて電気を点けてくれるのを待つしかないわけ。

でも、今回の場合に関しては事情が違う。
2時間以上前から、フロアには俺以外残っていないのだから。

251 本当にあった怖い名無し sage 2014/01/13(月) 22:57:52.49 ID:0qeR7L7l0
年末だから閉めてんのかな…とかわけ分からん事を考えながら、内心ビクつきながらも好奇心が勝って、俺はそろそろと近づいていった。
何かいる。
うまく説明出来ないけど、何かがいる気配を感じる。
俺は足が竦む、ってやつを初めて経験していた。

やがて中から物音が聞こえ始めた。
カリ……カリ……と、おそらく扉を引っ掻く音。
右の個室から音が止まったら左の個室から、左の音が止むと今度は右、と規則性があるようだ。
正常な判断が出来ていたかどうかは分からないけど、少なくともその時はそう聞こえた。
音のする頻度、大きさは次第に増していき、少しずつ水を流しているようなゴポゴポという音も混じり始めた。

もう駄目だった。
弾かれたように、って表現はああいうことを言うんだろうな。
体の自由を取り戻した俺は一目散に逃げだした。

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